ハシビロコウ


(写真:上野動物園/撮影:裏辺金好 ※以下特記を除き同じ)

●基本データ

分類: 鳥網 コウノトリ目 ハシビロコウ科
学名: Balaeniceps rex
英名: Whale-headed Stork
生息地 :アフリカ中央部の奥地(白ナイル河とその支流の沼沢地)

●解説

 ごらんください、この可愛い顔つき(笑)。特に顔の大きさにしてはアンバランスなクチバシ、キュートな首筋。
 このハシビロコウは主にアフリカの湿地、草原地帯に生息しており、具体的にはスーダン・ウガンダ・ブルンジ・タンザニア・マラウィ・ザンビア・コンゴ(旧ザイール)・中央アフリカ・ルワンダ・エチオピアの10ヵ国で生息が報告されています。生息数は1000羽とも10000羽ともいわれていますが、いずれにせよ、かなり貴重な鳥であることは間違いないでしょう。

 ちなみに学名のBalaeniceps rexは、ラテン語のbalaena(クジラ)+ceps(頭)、rex(王様)、英名のWhale-headed Storkも、クジラ頭だそうですが、う〜ん、クジラ・・・? 似ているような、似ていないような・・・。

 なお、日本語のハシビロコウとは、クチバシが幅広いコウノトリ。でも、コウノトリとは類縁関係が無いとか。一方、サギにも似ているようですが、こちらとも類縁関係無し(サギの仲間としている本もありましたが)。最近では、ペリカンの仲間じゃないか?というDNA研究もあり、姿だけでなく、その分類も謎な鳥です。そこがまた、神秘的!

 日本では、千葉市動物園、上野動物園、伊豆シャボテン園にて見ることが出来ます。

●動画



●ギャラリー


 体長は約120cm、体重は5kgぐらい。
 体重はさすが鳥ですから比較的軽いですが、体長は結構でかいですね。そして、この鳥は滅多なことでは動かないことで非常に有名なのです。何も無ければ、上の写真のスタイルのまま、じ〜っとしています。寝癖の着いた頭(?)と共に、これがハシビロコウの特徴です。なんとも、落ち着いた鳥・・・いやいや、さにあらず。実はこのハシビロコウ、ハイギョなど比較的大型の魚を捕食するハンターで(千葉市動物園の場合、コイを与えているとか)、目標に狙いを定めるや、チャンスが来るまでじっと待機。魚が油断した隙に、倒れこむようにして一気に捕獲するのです。

 その野生の行動の名残と申しましょうか。
 上野動物園にハシビロコウを見に行った際、なかなか動かないので離れようとしたところ・・・突如として羽を広げ、それは一瞬のうちにこちらへやってきて威嚇を始めました。どうやら、私の隣にいた小さい子供を怖がらせようとしたようで・・・。なかなか性格の悪い鳥で、小さい子供が来るとかなりの確率で威嚇を行ってきやがります。



 また、ハシビロコウは非常に単独主義的な鳥で、同じハシビロコウ同士であっても隙を見せません。どころか、一定の距離を保っています。お蔭様で、動物園飼育下での繁殖は今のところ、あんまり出来ていないとか。

 それにしても、まるで恐竜のような、この険しい顔つきに似合わないクチバシです・・・。


 こちらは千葉動物公園にて。

 このように、羽を広げたらかなりの迫力があります。2.5mにも広がるそうで・・・。


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