シフゾウ


(写真:多摩動物公園/撮影:裏辺金好)

●基本データ

分類:哺乳綱 鯨偶蹄目 シカ科
学名:Elaphurus davidianus
英名::Pere David's deer

●解説

 角はシカ、顔はウマ、体はロバ、「ひづめ」はウシに似ているが、そのどの動物でもないということで、「四不像(シフゾウ/中国音でスープーシャン)」と呼ばれます。中国明代の小説『封神演義』に神獣として登場することでも有名ですね(姿は異なりますが)。

 さて、このシフゾウは絶滅の危機を辛くも乗り越えてきた動物で、1865年にフランス人宣教師ダヴィッドが、北京郊外にある清朝皇帝の狩場である南苑で発見したときには、既に野生のものが絶滅していました。しかも、1895年に南苑を襲った洪水と、1900年の義和団の乱により中国にいるものはメス1頭を除き死に絶え、もちろん最後のメスも1920年に亡くなり、中国から姿を消してしまいました。

 それでもヨーロッパの動物園に連れていかれた群れがいたのですが、これも第一次世界大戦に巻き込まれて全滅。シフゾウは絶滅したかに見えました。ところが、幸いにもイギリスのベドフォード公爵が1群18頭買い取っていて、これのみ生き残っていました。そこで、これを元に繁殖が進められ,各地の動物園へ。今では再び中国で野生に帰すことに成功したほどです。




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