○ファクター理論の登場 |
○ファクターとは何ぞや |
まず、そもそもファクターとはなんだろうか?英語約では要素とかそんな意味だが、それでは何のことかわからない。教科書風にいうと「ファクター」とは資源・エネルギー利用の飛躍的な効率化をはかることの象徴的表現であるとか、資源生産性を○倍することなどと説明される。が、要は物を作ったり、何か動かしたり、サービスしたりするときに使う資源やエネルギーを○分の一にしようということだ。これを英語辞書を引いて「要素4」とか約してしまうと意味不明の記号と化してしまう。
この考え方、またはスローガンは欧米の環境関係者の間でのキーワードになっている。この考え方で面白いのはちゃんと人口爆発のことも考えてあることだ。なんでも、「資源の利用効率を高めなければ、爆発する人口に伴う不均衡はますます拡大する。廃棄・排出物の増加のテンポが資料
によると、このままでは、地球の維持能力さえも壊滅させかねない。」という前提の下に立っている。
これに限らず、ファクターの考え方、とくにファクター4の考えかたは非常に現実的なのが特徴だ。この他にも、「新技術に頼らない」というぜひどこぞの大統領に見習ってほしい(おっと失礼)方針を持っている他、「採算性があう」などの特徴をもっている。それについてはあとで述べよう。ちなみに、ファクター4は最低基準とされているがひとによってはファクター10を最低基準としている。
○ファクターと環境問題解決 |
それでは、ファクターの考え方でどのように環境問題を解決していくのだろうか?物質の流れを「ゆりかごから墓場まで」(素材採取から廃棄に到るまで)徹底的に削減し、先進国と発展途上国の公平性を確保し、将来の世代に資源を残し、「同時に地球環境に対する負荷を半分以下に削減する」のがこの考え方である。この考え方には、「世界の持続可能性」、「持続可能な利用」という考え方が根底にあるようだ。この考えかたは非常に面白いと思うのだが、それについてはまた今度の機会に述べよう。それに当座は、この立派な目標が絵の具でできたもちでないのか調べることだ。
心配御無用。すでに世界には様々なファクター10およびファクター4の可能なものが存在している。部分的にはファクター20も達成できるものもある。それは、綿花生産からバイオオフィスビル、農業、木造住宅、車から冷蔵庫とコンピュータからイチゴ入りヨーグルトまで実に多岐にわたっている。
その例としてチューブ型蛍光灯が挙げられている。これを光らせるときに投入したエネルギーの約80から90%は無駄に消費されている。蛍光灯とそのスタートに必要なバラスト(電気安定機器)に一人年間約360ドル(一ドル=100円というアバウトすぎの計算で・・・、3万6千円!)の電気代が費やされている。この電気のうち80〜90%が光にならず無駄なエネルギーである。ある程度の改良を施すことによってその効率を4倍(ファクター4)以上に高め、改造費も数年以内に
採算が取れるそうである。改造は、「人間の目の色需要器官にあった、赤色、青色、緑色の色彩を放つ蛍光管を使用する。」他多々に及ぶ。
最後に、ファクター4が推進される根拠を具体的に羅列しよう。今回のレポートはここまで。
(参考文献にはもうひとつのっていましたが、はっきりとはわからなかったので書きませんでした。)
参考文献
Factor4〜豊かさを二倍に、消費を半分に〜
エルンスト・ウイリッヒ・フォン・ワイツゼッカー、エイモリー・B・ロビンス、L・ハンター・ロビンス著
1998年5月18日、発行発行所・財団法人エネルギーセンター
環境問題最前線
古川 清行著
2001年6月10日、発行発行所・株式会社東洋間出版社
MKI Research Institute/環境政策サイト
http://research.mki.co.jp/eco/index.htm
http://www.landl.jp/book.htm
http://www.landl.jp/book.htm
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