生命三十六億年(13) ジュラ紀の動物たち

○さて今回は・・・

 ジュラ紀に棲息した数々の動物たちを見ていきましょう。
 大型恐竜が次々と闊歩したこの時代。一方で、いよいよ鳥類への進化の胎動が始まっています。上写真の始祖鳥はその中でもあまりにも有名ですが、近年では中国からそれ以上に重要な恐竜から鳥類への進化を示す化石も次々と発見されており、目が離せません。

○恐竜〜獣脚類〜


アロサウルス (ジュラ紀後期/ロンドン自然史博物館にて)
カルノサウルス類の1種で、ジュラ紀の獣脚類として最も知られたもの。全長は10mほどです。
目の上に突起があるのが本種の最大の特徴で、これはディスプレイであったと考えられています。



グアンロン (ジュラ紀後期/恐竜2009砂漠の奇跡にて)
 頭の大きなトサカが印象的な、最古のティラノサウルス類。体長は1.38mで、ティラノサウルス類はこの小型の恐竜から、次第に大型化していったことがわかります。また、ティラノサウルスといえば小さく、2本しかない前肢が有名ですが、グアンロンは前肢が長く、指は3本あります。また、頭骨も華奢です。


グアンロン (ジュラ紀後期/復元模型 恐竜2009砂漠の奇跡にて)

○恐竜〜竜脚類〜


ユンナノサウルス (ジュラ紀中期/恐竜2009砂漠の奇跡にて)

 中国の雲南省で発見された初期の草食恐竜の1種類である、古竜脚類の1つ。上写真のユンナノサウルス・ヤンギの場合は全長13mで、当時の恐竜としてはそこそこ大型であったと考えられています。ちなみに別種にユンナノサウルス・フアンギというのがいますが、これは一回り小さかったようです。
 *ちなみに竜脚亜目の中に、竜脚類と、それより古い時代に生息していた古竜脚類という分類があります。このユンナノサウルスの場合は、歯の形は偏平な形をしており、後の竜脚類の歯に近いという特徴があります。


シュノサウルス (ジュラ紀中期/恐竜2009砂漠の奇跡にて)

 中国の竜脚類でもとくに有名なものの1つで、たくさんの化石が見つかっています。尻尾に棍棒状の尾椎(びつい)があるのが特徴であり、この恐竜の存在は、竜脚類が尻尾を武器に使ったとされる有力な証拠となりました。
 なお、草食恐竜であったと考えられています。


ディプロドクス (ジュラ紀後期/ロンドン自然史博物館にて)
全長は27m。長くて細い頭と首、これまたひょろ長い頭と、ディプロドクスは典型的な竜脚類のイメージに合う恐竜です。


マメンチサウルス (ジュラ紀後期/2008年「恐竜大陸」にて)
 全長22m〜35mであり、種によってばらつきがありますが、近年では世界最大級の恐竜であることが解り始めた竜脚類。ディプロドクスに近い仲間です。最大の特徴は首の長さで、35mの個体の場合は、16.9mもあります。首の骨も、他の竜脚類よりも4個以上多い19個です。なお、この場合は体重も大きく、50tもあります。


カマラサウルス (ジュラ紀後期/恐竜2009砂漠の奇跡にて)
 北米で最も発見される竜脚類で、カマラサウルス類を代表する属です。ディプロドクスなどと比べて、この仲間はより前後に短い頭(丸い頭)を持っていることが特徴です。また、首の稼動域が大きいため、高さを調節でき、ほかの恐竜と食べ物を分けていたと考えられています。

○恐竜〜鳥脚類〜


アギリサウルス (ジュラ紀中期/2008年「恐竜大陸」にて)
アジアでは特に古い鳥脚類。あごの前と後ろで歯の形が異なるのが特徴です。
この仲間は、白亜紀に一気に多様化します。

○恐竜〜装盾亜目剣竜下目〜


ステゴサウルス (ジュラ紀後期/幕張メッセにて)
 剣竜として最もメジャーな草食恐竜。背中の板は、発掘したときの状態から、このように(一直線ではなく)交互に並んでいたと考えられています。左右非対称の大型動物として珍しい存在です。
 また、この板はディスプレイのほかに、体温調節にも役立ったといわれています。すなわち血管が中に入っており、日に当てることによって体を温めることが可能です。武器として使えたかどうかは不明、もしくは使えなかったと考えられています。

 ちなみに頭が小さく、脳がクルミ大ほどの大きさしかなかったといわれており、過去はノロマな恐竜の代名詞にもなってしまいました。現在では、そこまで動きが緩慢であったとは考えられていません。

○鳥類


アーケオプテリクス(始祖鳥) (ジュラ紀後期/国立科学博物館 恐竜博2011にて)
恐竜と鳥の進化を考える上で重要な指標となった生物として、非常に有名なもの。


アンキオルニス (ジュラ紀後期/国立科学博物館 恐竜博2011にて)
 「ほとんど鳥」という意味の学名を持つ恐竜。最古の鳥類(とされる)始祖鳥以前に存在する羽毛恐竜であり、鳥類の実際の祖先に近い仲間として非常に重要な恐竜です。風切羽の羽軸が真ん中を通っており、典型的な鳥類とは異なる原始的な特徴を持っています。

○翼竜


ランフォリンクス (ジュラ紀後期/世界最大の翼竜展にて)
特徴的なクチバシと歯の形状から、クチバシの口先という意味の学名を持つ翼竜。翼開長は40cm〜175cm。
長い尻尾を持つことで特徴付けられる、ランフォリンクス類の代表種で、この仲間はジュラ紀で絶滅します。


プテロダクティルス(ジュラ紀後期/世界最大の翼竜展にて)
翼の指という意味の学名を持つ翼竜で、翼開長は40cm〜175cm。
尻尾の短く首の長いプテノダクティルス類の代表種。白亜紀まで繁栄します。

○爬虫類(ワニの仲間)


ステノサウルス (ジュラ紀/北九州市立いのちのたび博物館にて)
ドイツのホルツマーテンで発掘。

○魚竜


オフタルモサウルス (ジュラ紀中〜後期/ロンドン自然史博物館にて)
 直径10cmの大きな目を持ち、暗い海(深い海あるいは夜間のどちらかor両方?)で獲物を捕まえたと思われます。魚竜ですが歯が無いのが特徴。全長は3.5mです。深くもぐることができる、丈夫な骨を持っていますが、その一方で、骨の損傷から潜水病になりがちだったとも・・・考えられているとか。マジっすか!?


イクチオサウルス (ジュラ紀後期/ロンドン自然史博物館にて)
 全長2m〜3mの魚竜。哺乳類のイルカのような形状から、収斂進化(同じ環境に住んでいるため、まったく別の種どうしが同じような形に進化すること)の例として知られています。

○魚類


パルナイバイア (ジュラ紀後期/いのちのたび博物館にて)
シーラカンスの仲間。

○アンモナイト類


パーキンソニア (ジュラ紀/国立科学博物館にて)



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