武装恐竜? トリケラトプスとその仲間たち

 肉食動物と草食動物、この対立する二者の関係が進化にも多大な影響を与えていることは想像に難しくないことでしょう。一方は相手を捕らえるために、牙を、つめを発達させ、もう一方は相手から逃れるために甲羅や俊足の足を発達させる・・・、「進化とはこの過程である」というわけでは決してありませんが、この関係が進化を促進してきたのは事実でしょう。

 もちろん、恐竜も例外ではありせん。彼らも角や牙、スパイクなどを発達させ、生存競争にしのぎを削っていました。2002年夏の恐竜博での主人公、セイスモサウルス(全長35メートル以上!)をはじめとするあの巨大な竜脚類でも、武装せねば生きていけなかったことをあなたは知っていますか?途方もない額で取引されてしまって有名になった、最強(?)の恐竜ティラノサウルスの「スー」が傷だらけであることは有名な話です(知っている人には・・・ね)。中生代・・・、そこはまさに戦士たちの白熱した戦いの場所でもあったのです。今回は、その中で草食恐竜の戦士たちについて、御紹介しましょう。

 


 武装した、草食恐竜と聞いて誰もがすぐに思い出すのが「トリケラトプス」でしょう。ティラノサウルスと、この恐竜に、ステゴサウルスを加えた面々は恐竜界の知名度トップ3にはいります。もっとも、日本では来日に乗じて最近セイズモサウルスが新聞にでかでかと存在をアピールしていましたので、トップ3が「一時的に」どうなっているかは少し謎です。

 ともあれ、トリケラトプスの仲間の角竜は、多くの仲間が角を頭に生やしていました。だから「ケラトプス(角のある顔)」という名前が多いんです。さて、トリケラトプスは鼻先と目の上に計三本の角を生やしていました。はい、そこのあなた!「これはサイのように突進するときの武器だ!」なんて軽々しく結論付けたでしょう。


 いいですか、古生物学は大胆かつ「丁寧」に考えていかねばなりません。トリケラトプスの目の上の角、実は鹿の角より折れやすいのではないかという意見が出されています。もしそうであれば、これは敵よりもむしろ恋敵に対する武器の可能性もあるのです。動物は恋敵を倒すためにさまざまな進化をします・・・・・・(^^;。って、はじめ言ったこのコラムのテーマからずれてる・・・。まあいい。もっとも、角が外敵に対して使われなかったかというと、そうではないと思われます。なんせ、トリケラトプスはあのティラノサウルスと同期の恐竜ですからね。自然界では、武器は恋敵にも敵にも使うこと多々ありです。その場合、どのように使ったのかは興味深いところです。

 こいつの親戚に「スティラコサウルス」というこれまた派手な恐竜がいます。角こそ鼻に一本しかないものの、襟巻き(?)の周りには、パンクシンガーよろしく多数のスパイクがずらずらあります。以前何故か、トリケラトプスを差し置いて某映画にでました。何故だ・・・・??

 頭にスパイクをつけた恐竜としては他に「スティギモロク」という恐竜がいます。三途の川の魔王の名前が由来というすごい恐竜です・・・。堅頭竜、俗に言う石頭恐竜の仲間です。このグループは一般に、頭骨が工事現場のヘルメットにはもったいないぐらい分厚いことが特徴で、代表格の「パキケファロサウルス」は厚さ20cmをほこります。どこぞのレスラーの頭突き何ぞこれにくらべればかわいいものです。トイレットペーパー数枚分(言い過ぎか)の厚みしかないのに、頭骨の硬さで恐竜と勝負してはいけません。ちなみに、その中身は、小さく、そちらも石頭の可能性があります。この頭骨、明らかになんらかの武装ですが使い方には注意が必要です。敵にこの頭を真正面に向けて突入してはいけませんよ、敵にちょっと斜めに当たろうものなら自分の首がへし折れてしまいます。正しい使い方は、体ごとふって、相手を横から打ちのめすのがよい方法です。皆さん覚えましたか?普段は、恋敵に一撃浴びせるのにつかってください。
 

 ありゃりゃ、もう紙面が尽きちゃった。なんか散文でもうしわけありませんねえ・・・。
 それではみなさんSee you next!!

(執筆:馬藤永徳)


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