アンビュロケトゥス・ナタンス

○太古の海にはこんな生物が!

 さて、大哺乳類展が開催中の国立科学博物館ですが、常設展を見て回るだけでも一苦労。何度行っても新しい発見があるのも魅力の1つです。その中でも、古生物関連の展示で面白いのが地下2階で展示されている「水に戻った四肢動物」のコーナー。展示物は、なかなか他の博物館ではお目にかかるのが難しいものばかりです。


 写真のアンビュロケトゥス・ナタンスもその1つで、始新世中期(約4900万年前)にパキスタン周辺の浅い海で棲息していました。アンビュロとは歩く、ケトゥスは鯨(くじら)、ナタンスは泳ぐという意味。魚介類を食べていたほか、その名の通り、時には陸上にも現れて小動物を食べていたそうです。


 こんなのと海中で出会ったら・・・考えるだけでも恐ろしいですね(笑)。

(執筆:裏辺金好)
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