不気味な話

○もしも現在・・・

 今回は、人によっては少し気分の悪くなるかもしれない話かもしれません。
 ちょっと不気味な話です。ご容赦を。


 思うことがありまして、もしも今現在、「本当に」別種の人類がいたら、我々はどう対処するのだろう・・・。


 2010年4月9日に、新種の猿人が発見されたというニュースが新聞に載りました。直接の人間の系譜なのだろうか、と思ったのです。そういうこと自体は珍しくありません。


 属が我々とまだ異なる猿人どころか、属も同じであり埋葬などの文化と概念を持っていたとされるネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)。彼らが、我々ホモ・サピエンス(H. sapiens)とは別系統の人類であるということは知っている人も多いと思います。
(なお、「屋根と名前」で紹介した二名法の表記では、同じ属名を記すとき、めんどくさいので頭文字だけで表記することもある)。
菜食主義者とされていたと思いますが、ホモ・ハビリス(Homo habilis)などは同じヒト属でも、早いうちから我々と進化を別にしていたといいますしね。


 ミトコンドリアの中にあるDNA(mDNA)の変異を調べた結論として、その変異の少なさから我々人類は一人の先祖から生まれたこと、その後に別の人類と(種が分かれる前に)交配していないことが考えられています。・・・まあ、早い話が我々ホモ・サピエンス(H. sapiens)は、前にいた兄弟たちと入れ替わった・・・ということ。


 研究者によってはネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)は我々の祖先との競争に敗れて絶滅したのだという説を唱えていることもありました。一方で、ネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)が自分達の遠くの仲間とあまり交配しないため、気候変化で地方の集団が絶滅したのだという意見もあります。

 いずれにしても、我々のご先祖さまがひょっとしたら我々の兄弟(ネアンデルタール人にしろそうでないにしろ)に対して何かしたのかもしれないという疑問が残るわけです。

 なんせ同じ種の仲間にさえ、優越民族だのなんだの言って差別したのですからねえ・・・。

 今日の話はここまでです。まあ・・・不気味な話だと思うわけです。


(執筆:馬藤永徳)
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