インドライオン

○動物園で無防備な(?)姿をさらしておりますが

 ライオンと言えばアフリカのイメージが強いですが、インドにも棲息しており、彼らはアフリカライオンよりも多少小柄で、体色が薄いのが特徴です。


 ところが、これが1913年には20頭未満にまで減少していた状態だったとか。その後は繁殖と保護が続けられた結果、現在はインド西部の野生生物保護区にのみ棲息するとは言え、250頭にまで回復。・・・それでも100年でこの数ですが・・・。おまけに、一時的にとは言え20頭にまで数が減ってしまうと、遺伝子の多様性は大いに失われ、たとえば新種の病気にかかった際に、誰も抵抗できる遺伝子が無く、あっという間に絶滅の可能性も強まります。


 しかも近年は再び、ベンガルドラと偽って骨を漢方薬の材料にしようと密漁事件が相次いでいる上に、家畜を守るために保護区を囲っている高電圧の電気柵で感電するライオンもいるとか。


 人間の生活を守りつつ、密猟者を取り締まりつつ、動物を保護しつつ・・・と、なかなか全てを両立させるのは難しそうですが、動物園も活用しながら、少しでも個体数の回復が図られるといいですね。と、そんな人間の気持ちを知ってか知らずか、のんびりとした雰囲気のズーラシア(神奈川県横浜市)にいるインドライオンでした。


(執筆:裏辺金好)
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