バクテリアたちの溜息と光合成〜その2
光合成の誕生について。いよいよ現在に似たタイプの光合成が登場します!
腹が減っては戦ができぬというが、飯の恨みは強いとも言う。何に対して恨んだのかがさっぱりわからないが、飯のグルコース不足の中でばくたろうは奇跡の戦略を編み出した。グルコースをピルビン酸から作ったのである。ふあーっはっはっ。前述したが、これを発明したばくたろうは大変上機嫌である。すごい大笑いだ。三日後には笑い死んでしまうだろう。みんな俺のおかげで飯が食えるんだぞ!感謝しろ!
しかし、しばらくした時のことである。このころばくたろうは周囲の目をやたらに気にするようになった。以前より、彼の周りには人(?)だかりも増えたが、しばらくするとめっきり減ってしまった。なぜだ・・・。そんなこと社会を作らないバクテリアが気にしてどうなるのか知らないが、彼はしきりに考え込んだ。俺の周りにはすべての生き物が集まってこなくてはならない。自分でグルコースをつくりだすことのできないものは俺の周りにに集まってこないと死んでしまうはずなのに・・・。いくら考えても、彼には答えが見つからない・・・・。
あまりこの小さなバクテリアののんきな考えに付き合っていると紙面と読者の忍耐力がつきてしまう。だから結論を先に言おう。彼には有力なライバルが生まれたのだ。発明のあとにはそれに追随するものが現れる。そしてこの世の中、先駆者よりも二番手のほうがけっこううまくやってしまう。同じような製品なのに宣伝に金をかけて違うように見せるタイプ、豊富な資金力でちょっとした改造を加えるやつ、中には自分が一番手のような顔をするやつすらある。そんなのが現れたのだろうか?
実はそうではない。といっても多くの読者はすでにわかっていることだろう。その新しいライバルはそんなこそこそした存在ではない。実は彼はばくたろうよりはるかにすごい発明をしたのである。人力車は陸蒸気に取って代わられたのだ!ばくたろうを圧倒した陸蒸気・・・、その名こそ「光合成生物」である。
ばくたろうには気の毒だが、笑い死ぬことがなくなったことを考えるとかえってよいかもしれない。 この光合成生物にも筆者は名前を与えなくてはならない。そこでぜひとも名前募集をしてみたいのだが、なんせ今回は紙面がここまでしか進んでいない。ここまでで話を切ってしまっては、動植物・古生物研究所の体裁にかかわる。・・・とまあ、そんな極めて低俗な理由のため、彼は適当に名前をつけられてしまった。おかげで彼は非常にねじ暮れた性格をしている。彼の名前、それは光である。前述したように、こいつは非常にひねくれた性格をしている。彼の趣味はずばり、ライバルのばくたろうの悪いうわさを広めることである。少しその内容をきいてみよう。
その一・「ばくたろうのやつは実に危ない。うかうかするとやつの出す泡に体をさんかさせられてしまう。」 ・・・・事実無根である。と言うかやっているのはお前、光だろう!ちなみに光合成をする彼も、初めのうちは、酸素を放出しないおとなしくて素直なやつだった・・・。
その二・「ばくたろうの名前を漢字で書くと爆太郎となる。やつは爆発する。」 ・・・・意味不明・・・・。ギャグセンスに乏しいようだ。 その三・「ばくたろうのやつは大変な浪費家だ。自分で作ったグルコース以上の食べ物を食っちまうようなやつだ。奴にかかわると破産しちまうぞ!」 ・・・多少誤解があるようだが、大筋ではあっている。ばくたろうは実はグルコースの生産はするものの、それ以上のグルコースを消費してしまう。だって考えてみてほしい。ばくたろうのやっていることは、ピルビン酸をグルコースに戻す作業である。エネルギーの大きいグルコースを作るにはエネルギーが要るではないか!
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