カメラについて語ってみる(24) 『デジカメ時代のメーカー』について

●はじめに
 急に、冷え込みました。朝、玄関を開けて、思わずコートを取りに戻ったくらいです。
 そんななか、風邪ひきさんも増えたみたいで、皆さんは、お元気ですか?
 さて、CANONがEOS 5Dを発売しました。9月4日、大阪の展示会に参加して、早速現物を見てきました。

 スペックは僕が望むものそのまま。
  ・フルサイズ1000万画素オーバー(1280万画素)
  ・連続撮影速度3コマ/秒
  ・連続撮影可能枚数17コマ(RAW)
  ・バッテリーグリップ取り外し可能・・・。
 しかし、なぜか買う気が起きない。約40万円という実売価格もさることながら、何か見た目が気に入らない・・・。

 すごくカッコ悪く見える。多分、ペンタプリズムのまわりの処理なんだろうけど、EOS 3と、EOS-1Vの中間?見たいなデザインで、すごく中途半端。カタログ見たときからだったけど、実物を見て、ガックシ。

 1D系統と、デザインの上でも差別化をはからないといけないのは分かるけど、???。
 とりあえず、次のモデルに期待・・・かな?

●メーカー修理の10D
 さて、どんどん新型が、登場するデジタル市場ですが、未だに3世代?前のEOS 10Dを使っています。20Dに換える気は全く起きず、通常のお仕事ならこれで十分なので、まだまだ現役でがんばってもらう気でいました。

 しかしこの夏、不具合が生じて、メーカーに送り、調整してもらいました。
 といっても、電気系統のトラブルではありません。AFでピントは合うのに、MFに切り替えると、ピントがずれる。たぶん、フォーカシングスクリーンが、コンマ何ミリかずれてしまったようです。AFが効くけど、マクロ撮影などの時はとても不便。というわけで、メーカーに修理を依頼。

 しかし、メーカー側は、
 「症状が認められず。とりあえず、AFセンサーの調整をしておきました」
 という回答。しかも、AFの使い方、フォーカスロック等の説明書をつけての返品でした。修理の時、症状を具体的に「180mmF2.8レンズで、2m先の被写体にピントを合わせたとき、ピント位置から前に約2cmほど前ピンになる」とテストした内容まで書いたのに。
 「あなたのカメラは故障していません。使い方、ちゃんと知ってます?」 的な反応にはさすがにショックでした。月刊カメラマン(ボクの愛読書)2004年11月号で、コンパクトカメラで同じような症状が起き、同じような対応をされたコラムが載っていましたが、まさか、自分も同じような目にあうとは。

 規模が大きくなればなるほど、製品サイクルは早くなり、ちょっとした修理は対応したくないのかもしれませんが、もう少し、ユーザーのことを考えた対応をしてほしいものです。とりあえず、元気になった(と思いたい)10D、これからも頑張ってくれ。

●マイナーチェンジ?
 さて、デジタル関係の商品は、とにかくサイクルが早いです。僕も、10D購入後、3ヶ月で旧製品になるということを経験しました。しかし、最近、デジタルならではの恩恵を受けたことも確かです。

 EOS 5Dの発売に遅れること数週間、CANONデジタルカメラ用のグラフィックソフト、Digital Photo Professionalがバージョンアップしました。これに伴なって、10Dなどの旧製品も、新機能ピクチャースタイルを使えるようになったのです。

 ピクチャースタイルというのは、あらかじめ撮影対象に最適な画像設定が数種類、カメラに設定されているものです。もちろん、今までもフォトレタッチソフトを使えば、自分で被写体にあった現像処理ができました。しかし、このピクチャースタイルで、大まかに設定し、好みに合うように微調整するだけでよくなったのは大きいです。

 特に、僕の場合、基本の撮影がRAWモードなので、すべて現像処理をしなければなりません。一枚一枚、現像処理設定をしていたのでは、はっきり言って無理があります。このように、専用ソフトで新製品と同じようなことができるようになったのは、とても嬉しいですね。

 実際には、これはマイナーチェンジとはいえません。ファームアップ等で、新製品と同様に、ピクチャースタイルをカメラに内蔵させることができれば、マイナーチェンジといってもいいでしょうけど。

●ファームアップの功罪
 さて、ファームアップとは、機器の設定情報などを扱うファームウェアをバージョンアップすることです。

 特にデジタルカメラになり、ファームアップは重要になってきました。カメラ内部での画像処理など、ソフトウェアの部分はファームアップによりある程度修正可能だからです。

 しかし、このファームアップに甘えているような気もします。本来的には、発売の段階で、製品としては完成していなければならないはずです。後から発売された機種に、上記のようにソフトウェア的に近づけるために、とか、新型のアクセサリーと、より欲連携させるためにといったことは賛成ですが、「不都合が生じたので〜〜」というのは、あまり感心しません。

 メーカー側には、売り出す段階で、完成度の高い、自信を持って販売できる商品を作って欲しいものです。

(ファームウェア:10DはVer.2.0.1まで更新された。メーカーに送らなくても、CANONのHPからファームウェアをダウンロードして、自分でも更新できる。)
 
●おわりに
 デジカメが主流になり、特に低価格のカメラは壊れた場合、定価よりも修理代が高くなるため、使い捨てのようになってしまった感があります。まだまだ発展途上にあるデジカメですが、もう少し長く付き合える製品を作ってほしいというのが本心です。僕の10Dも、せめて5Dの後継機が出るまでは・・・

 さて、特にCANON F-1を中心に、使い方や不具合などの質問が寄せられるようになりました。
 記事内容、その他ご意見ご質問はyuhki7se@hotmail.comまで、よろしくお願いします。

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