静岡県の旧街道と宿場町名など


○解説

 静岡といえば、東海道の宿場町がわんさか。というわけで、一部スキャンミスで欠けてしまっていますが、箱根を越えて三島から西へ行って見ましょう。


 三島は現在の三島市、沼津も沼津市、「はら」は三島市原、吉原は富士市吉原、「かんばら」は静岡市清水区蒲原。蒲原は庵原郡蒲原町でしたが、2006(平成18)年3月に静岡市に編入され、清水区の一部となりました。それから由井は由比とも表記し、現在の清水区由比町のこと。以前は庵原郡由比町でしたが、2008(平成20)年11月に静岡市に編入され、これも清水区の一部となりました。

 興津は静岡市清水区興津、それから江尻は清水区江尻町。静岡市と清水市が合併する前、清水市の中心部でした。また、脇道にそれまして小嶋は由比と興津の北にある、現在の清水区小島町です。

 また伊豆半島に目を向ければ、下田は現在の下田市で幕末に開国の舞台となった場所の1つ。北条は平安時代末期から鎌倉時代に大きな足跡を残した北条氏発祥の地で、現在の伊豆の国市内ですが、地名は残っていません。後述の韮山の近くらしいのですが、具体的には現在のどの辺でしょうか? 

 韮山は源頼朝が挙兵した場所、さらに幕末に反射炉が作られたことでも有名な場所で、現在の伊豆の国市韮山。・・・なんという馬鹿な自治体名になったことでしょう。


 府中は現在の静岡市葵区。城は駿府城、つまり駿河府中ということで、江戸幕府にとっては家康ゆかりの特別な場所。明治維新後に徳川家は江戸から駿河府中へ移されますが、府中=不忠という悪いイメージになることを恐れ(公式には、府中という地名は全国各地にあることから明治政府の命令で改名した、とのことですが)、静岡という何ともおとなしい名前に変更しました。これは、賤機山(しずはたやま/賤ヶ丘とも)に因んだ名前です。

 続く鞠子(まりこ)、もしくは丸子とも表記しますが、これは静岡県静岡市駿河区丸子。岡部は藤枝市岡部(2009年1月より。旧、志太郡岡部町)。ふぢ枝は藤枝市、嶋田は島田市、「かなや」は島田市金谷、日坂は掛川市日坂、そして掛川城のある掛川に至ります。

 それから袋井は袋井市、スキャニング漏れしてますが次が見附で、現在の磐田市見付。次が浜松で、さらに舞阪(浜松市西区舞阪町)、続いて関所があった「あらい」こと、現在の浜名郡新居町。「白すか」は現在の湖西市白須賀です。

 脇道にそれて、相良は現在の牧之原市相良。江戸時代の老中として有名な、田沼意次の子孫が藩主を務めた場所。田中は藤枝市田中です。

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