U.C.0133　機動戦士クロスボーンガンダム

●見所　Highlight

　富野監督自身がしっかりと原作を担当した、珍しいコミック作品です。ただ、こう言っては失礼ですが作画の長谷川氏には、もう少し絵を丁寧に書いて頂きたかったですね。ごちゃごちゃしていて、あまり感動できる絵じゃありません。しかし、作品そのものは木星「帝国」だとか奇抜なデザインのＭＳ、独裁者の狂気による地球破壊作戦など、ちょっと「？」マークを付けたくなる事があるものの、非常に色々と考えさせられる内容です。

　何と言っても、従来のガンダムでは宇宙移民者と地球に住む者の戦いが描かれてきたわけですが（Ｖガンダムは違いますけど）、ここではさらに木星が登場します。Ｚガンダムでも、木星は登場しましたが、今度は本格的な舞台。地球から遠く離れているにもかかわらず、それでも人は住んでしまったのです。しかし、それは過酷な環境であり、指導者による資源の分配等が行われ、人の命よりも物資の方が大切な社会でした（なるほど、そりゃＺガンダムのシロッコもトチ狂うわな）。

　それから、この物語で俗に言うニュータイプについて１つの答えが提示されています。非現実的な設定であるニュータイプですが、ああ、なるほどと思うような答えなので、ぜひ読んで見てください。また、Ｆ９１が正式に連邦軍の指揮官用ＭＳに採用されて戦っています。ハリソン大尉専用の青いＦ９１は、是非ゲームで楽しんでください。あと、何故かボールが活躍しているのも面白い。

　あと、マニア向けに。
　よ〜く見ていると、機動戦士Ｖガンダムに出てくる量産型ＭＳジャベリン、ジェムズガンの後ろ姿が登場しています。
　ともあれ、この作品によって、長らく謎に包まれていたＦ９１「後」の物語が埋められた格好になります。しかし、絵の下手さが気になるなあ。それでも、意外に躍動感にあふれていて、テンポも良く面白い作品です。

●登場人物＆声優　Characters & voice actor

Ｇジェネシリーズ、スパロボでの配役
トビア：山口勝平／シーブック（キンケドゥ）：辻谷耕史／セシリー（ベラ・ロナ）：冬馬由美／ザビーネ：梁田清之／ハリソン：青羽剛／バーンズ：飯塚昭三／ローズマリー：まるたまり／ギリ：真柴摩利／ドゥガチ：永井一郎／カラス：茶風林

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