ウイングガンダム(EW版)
     XXXG-01W
●この機体について
 「あれ?ウイングゼロのパチモノ?」と思ったアナタ、半分正解。ちょっと詳しい話をすると…

・TV版のガンダムWでヒイロの搭乗した機体はウイングガンダムとウイングガンダムゼロでした(デザインは大河原邦男氏)
・その後のOVA「Endless Waltz」では、カトキハジメ氏によってリデザインしたウイングゼロが登場しました
・Endless Waltzも前提にあるのはTVと同じ話なので、リデザインされても2機のゼロは基本的に「同一機」です
・じゃあ、当然「リデザインされたウイングガンダムがいてもおかしくない」ってことになりますよね?

…ということで、劇場版のパンフレットに掲載されたのが
「OVAの時系列でのオペレーション・メテオに参加したガンダム5機」
 だったのです。早い話がカトキデザインの初期ガンダム。

 出展が映画パンフレットの挿絵なのでその存在自体知っている人も少ないニッチな存在だったのですが、カトキ氏監修のフィギュアシリーズ「GUNDAM FIX FIGURATION」において本機が立体化されたのを機に、少しずつ知名度を上げていきました。そしてプラモデル化によって一気にメジャーになり、ついには他の4機までもキット化されるに至ったのです。

 なお、2010年より雑誌「ガンダムエース」で連載中のガンダムW漫画版「 新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 敗者たちの栄光」(シナリオ:隅沢克之、漫画:小笠原智史)では、ガンダムWを含めてカトキ版の設定で描かれています。

 …その一方でTV版の機体はウイング以外キット化「されず」。何この待遇の差…。
(解説&所蔵:八十八舞太郎)

●主な登場作品
 登場作品:新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 特別篇(設定のみ)
        新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 敗者たちの栄光」

●八十八所員より
 さて、こちらはROBOT魂で発売された完成品フィギュアですが、本来は通販限定品であり受注の受付も既に終了しているというちょっとしたレア品です。にも関わらず何故か地元のリサイクルショップで普通にポンと置いてあったので購入。値段は送料込みの通販時とほとんど変わらず。田舎って凄いね…。

▼ギャラリー

背面
 トップの写真とあわせて御紹介。青と白のほぼツートンだった原型のゼロに比べ、黄色が入ってかなり派手な配色に。

 基本ラインは変わらないのですが、腕の小羽が変形時のランディングギアも兼ねるクローに変更。そして何よりも目立つのが複雑な面構成をしている背中のウイングでしょう。TV版よりも大型化し、「ウイング」を冠するにふさわしいスタイル。 これだけ配色が多いと、フィギュアならではの問題である塗装精度が気になるところですが、はみ出しは殆どなく状態は概ね良好です。

 基本的にフィギュアなので手を加えなくても問題ないですが、モールドが多少あるのでスミを入れてあげるとより見栄えがよくなるかもしれません。ゼロのリペイントと言っても過言ではないので、付属品の構成はほぼ同じです。スタンド、ビームサーベル刃、手首各種はゼロのものと全く同じ。スタンドの接続方法も同様のもの(そしてマシンキャノンが開かない問題も同じ…)。

 あとは新規追加としてシールドと、TV版にはない予備カートリッジユニットが2つ付いています。カートリッジの取り外しはできないので完全に飾りですが。


可動
 さすがにプラモデルのように開脚180度とかはできませんが、おおよそ取れるアクションは全て可能な可動範囲。
 基本的に浮いている印象の強い機体なのでスタンド前提の飾り方になります。

 サーベルは一振りがシールド裏に内蔵、ビーム刃は一本付属です。色がゼロのものと違い、より原作に近い緑色に。シールドは接続部が二重ヒンジになっていてなかなか自由に動かせます。カートリッジを装着した状態でも装備可能。

 なお、本来は変形して巡航用のバード形態になることができるのですが、MSとしてのスタイル、強度維持を重視したためか変形はオミット。とはいえバード形態で置いておく機会はまずないので、この割り切りは正しい選択だったと思います。



バスターライフル
 リデザインで長大化したバスターライフル。基本的な機能はTV版と同じです。
 半径150m、直線距離にして数十kmに及ぶ高出力ビームは、範囲内のMSをことごとく消し飛ばしていくトンデモ兵装。ただし出力確保が困難なため、カートリッジ3発分しか使用ができないという制限もあるので、決戦兵器といった風体。

 先にプラモデル可された時はライフルの保持すらままならなかったのですが、そこはフィギュアならではの強みでクリア。
 手首のテンションが程よく、ライフルも軽めの造形になっているので、これだけの長大な武器を水平に構えられます。



原型と
 原型となったゼロと並べると、基本的な造形は同じなのがよく分かります。元のゼロ自体が良い出来だったので、こちらも若干の問題点は持つものの満足度の高いフィギュアです。最大の問題点がやはり「通販限定」ということでしょうか。もっと広まってもいいと思うんですけどね。あとTV版の発売も…ゼロだけでもいいからさ…。

 ※後日判明したのですが、TV版がROBOT魂でフィギュア化決定、進行中だそうです。よかったね。