ノイエ・ジール(デラーズ・フリート試作型MA)
     AMX-002/AMA-X2
●機体について
 ジオン残党軍の1つであるアクシズが開発した大型MAで、同じくジオン残党軍であるデラーズ・フリートを支援するために譲渡したもの。アナベル・ガトー少佐の最後の乗機となり、大型の機体に見合わぬ運動性、サイコミュを用いない有線クローアーム射出によるオールレンジ攻撃など、その性能を遺憾なく発揮した。
 しかし、ソーラ・システムIIの攻撃を喰らい中破。地球連邦軍の艦艇であるサラミスに特攻をかけ、ガトー少佐は戦死した。
(解説・撮影:八十八舞太郎)

●主な登場作品

 機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー

●八十八所員より

 「星の屑作戦」遂行の為に戦うデラーズ・フリートに、アクシズに潜伏していたジオン残党(後に「ネオ・ジオン」として蜂起)から送られた異形の巨大MA。それがこの「AMX-002 ノイエ・ジール」。因みに星の屑作戦展開中のコードナンバーは「AMA-X2」で、戦後に今の形式番号に改訂されている。
 ジオン残党がアクシズのなけなしの資材を用いて作ったこの機体は、かつての「ビグ・ザム」同様に絶大な火力とIフィールドによる鉄壁の防御力を誇る機体で、デラーズ・フリートが誇るエースパイロット(てゆかもはやバケモノ)「アナベル・ガトー」少佐により運用され、常軌を逸した戦果を残している。
 本機は同作戦の最後に特攻によって失われてしまったが、この件を機に地球圏は「ティターンズ」の台頭から反地球組織「エゥーゴ」の結成…という混乱状態に陥り(それがジオン残党が望んだ状況だったのか否かは分からないが)、後に「ハマーン・カーン」擁するネオ・ジオンが立ち上がるきっかけとなる。
 …とまぁつらつらと並べてきたけど、今回デンドロビウムのGコレ化に当たり、「スターダストメモリー・ファイナルステージ」と銘打たれて同時にキット化された本機。既に1/550でもキット化されていたんですけど、それとは比べ物にならない良い出来に仕上がっています。コレが一緒にいたから買いました(笑)。なかったら買ってませんよ、マジで。
 GP03同様これにも初回限定版には限定マーキングシールが付いている(左肩のヤツ)んですが、こちらはスタイリッシュで実に格好良く映えるので個人的にはヒット。

▼ギャラリー
リア
 武装はビーム系がメインで、肩各部の偏向メガ粒子砲に腹部メガ・カノン砲、クローアーム内にもビーム砲と多岐に渡る。
またリアアーマーやサイドスカート内には大小のミサイルランチャーも装備しているので、一応対ビーム兵装持ちの機体にも対応できる…が、基本はビーム兵器主体の機体。
 グレーや赤の部分は既に彩色済みなのですが、何せモールドが多いので墨入れは結構骨の折れる作業になります。これはデンドロもそうだったんですがね。
 付属のスタンドは後述の各種武装を入れておくことが出来るんですが、GP03のものと違い全く角度が付けられないので完全に「固定ディスプレイスタンド」になってしまうのが残念なところ。
 因みにこの機体、全体のフォルムが(設計者が意図的にそうしたのか、気付いたらそうなっていたのかは不明ですが)どことなくジオンのあの逆三角のエンブレムに似ていて、アクシズから送られてきたこの機体をガトーは初めて見るやいなや「ジオンの精神が形になったよう」と大絶賛、一目惚れ。この辺が軍人でありながら侍のように「精神性」を重んじる彼らしい感じ。
素敵にポージング
 ということで、格好良く見せるには別個にスタンドを用意しなければなりません(写真3)。これも市販の「MSスタンド(500円少々)」にただ「乗せている」だけだから安定しないし…。
 腕部クローは有線制御で射出することができ、擬似的なオールレンジ攻撃も可能。キットにもそれ用のリード線はあるんですが、ちと重いのかすぐにへたってしまうので撮影せず。
 肩バインダーやサイドスカート、リアアーマーにプロペラントなどは実によく動いてくれるだけに、スタンドのこととかこのような些細な問題点が実に残念なところ。
どこからでも、かかって来るがよい!
 ならば接近戦を仕掛k…と思ったら、バインダー内には4本の隠し腕、しかもMSの全長を超えるサーベル持ち。ヒィ。…こいつ、メインアームでもサーベルを使えたはずなんですけど?
隠し腕先端のクロー部は取り外し(外してサーベルと共にスタンド裏に収納可能)式なんですけど、アーム基部そのものは折りたたんで完全に肩バインダー内に収納できます。
 それまでの写真を見ても分かるとおり、収納すると完全に外から「見えなくなる」というこの設計は見事。まさに本物の「隠し腕」といった感じ。そりゃあコウが気付かなかったのも分かるわ。
巡航形態
 メインクローアームを取り外し、腕を収納して巡航形態に。取り外したクローアーム先端部も専用スタンドに収納できます。
 ただ先述の通り、専用スタンドがポージングをするには絶望的に向いていない、クローの保持やサーベルの件など、設定を知っているなら些細な箇所が気になるキットではあります。
 しかし、それらを差し引いてもこの出来で、しかもデンドロとのセットであの値段(8000円)はハッキリ言って「安すぎる」くらい。  
 「0083」好きなら是非手元に置いておきたい「逸品」です。