駆け抜ける嵐(GP03VSノイエ・ジール)
     GP03 VS Neue Ziel
●このシーンについて
 地球に落ち行くコロニーの軌道を変えるべく、トライアル中の「ガンダム試作3号機」を強奪し、戦場に赴く「アルビオン隊」。
 先行した試作3号機のパイロット「コウ・ウラキ」は、本機の持つ戦闘能力を最大まで発揮し、立ちはだかる敵艦隊とモビルスーツ部隊を次々と撃破、コロニーへと迫る。と、信号弾と共に下がっていく敵MS部隊。不審に思い警戒するコウの前に幽鬼の如く現れる異形のモビルアーマー。
「はっ!?」
「もはや語るまい…!」
 それこそは彼の宿敵「アナベル・ガトー」が駆る、「ジオンの精神が形となった」超巨大MA、「ノイエ・ジール」。
 トリントン基地から始まった因縁の戦い、その最終幕の火蓋が切って落とされる!
(この時は後詰めのアルビオン隊が到着したということもあり、コウが補給に引き下がったため引き分け、一時休戦ということに)
(解説・撮影:八十八舞太郎)

●主な登場作品

 機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー

▼ギャラリー
最後の決戦
 連邦軍は切り札である「ソーラ・レイU」を用いてコロニーを破壊しようとするも、ガトーの獅子奮迅の活躍によりコントロール艦が破壊され失敗。
コロニーの最終起動調整も為され、地球に落下することが確定となった。
コロニー落下阻止に失敗し、しかも軌道調整中のガトーと対峙し銃口を向けた時、彼の想い人でありかつてのガトーの恋人でもあった「ニナ・パープルトン」がそれを阻止するという信じ難い事態に。(そりゃあかつての恋人が銃口を向けられていたら、って考えると、今の恋人を捨ててでも…っていう彼女の行動も分からなくはないですがね。知人の命が関わっているんだし)
 失意のままコロニーを離れ、艦へと帰還しようとするコウと試作3号機の前に、立ちはだかる巨体。
「腐った連邦に属さねば、貴様も苦しむ事はなかったろうに…」
「待っていたのか…オレの為に…」
 事が成されてもなお、決着を付ける「だけ」のために待っていたガトーのノイエ・ジール。互いの意地をかけた最終決戦の第2ラウンドがここに始まった!
MAで白兵戦?
 並のMSなら容易く両断する、超巨大なビーム刃同士が激しく鍔迫り合う!
「うわあああぁっ!」
「でやあああぁっ!」
「えああああぁっ!」
「ぬわあああぁっ!」
 大局の勝敗を超え、自身の意地とプライドのために闘う男二人の咆哮が宇宙に轟く。その頃破壊された筈のソーラ・レイUにて不審な動きが…。
そして・・・
 満身創痍の身体で戦う2機。もはや武装も尽きた…と思われたその矢先、ここぞと隠されたサブアームでノイエ・ジールが試作3号機に絡みつく!
「どうだ!分離もできまい!」
 ここで決着か…というその瞬間、両機を膨大な光の奔流が飲み込んでいった…。2機を直撃したのは、(半ば強引に)再び稼動したソーラ・レイUによって照射された太陽光だった。結局この「横槍」により二人の決闘はうやむやのままに終わってしまうことになる。
 その後ガトーは「真実の戦いを後の世に伝えるために」連邦軍からの降伏勧告を拒否し、満身創痍のノイエ・ジールを駆り残存部隊と共に突撃。
 アクシズ先遣艦隊に辿り着こうとするも叶わず、戦艦(映像版と小説版でマゼランorサラミス級の違いはありますが)に特攻、華々しく散っていった。時にU.C.0083年11月13日、享年25歳。
 一方コウは試作3号機のコントロールMSである「ステイメン」が無事であったため「オーキス」部分を分離して脱出、辛うじて生き延びることができた。