νガンダム(ヘビー・ウエポン・システム装備型)(地球連邦軍試作型MS)
     RX-93 (FA-93HWS)
●この機体について
 νガンダムはロンド・ベル隊のアムロ・レイ大尉用に開発した、地球連邦軍のニュータイプ対応MS。アムロ自身が開発にかかわり、シャアの反乱において、ネオ・ジオン軍総帥シャア・アズナブルが乗るMSサザビーと死闘を繰り広げ、アクシズの地球落下阻止後に行方不明となった。
 さて、νガンダムHWS(ヘビーウエポンシステム)は、「シャア」の反乱が長期化した場合に備えて計画されたνガンダムの強化プランである。基本的にはνガンダム本体には手を加えずに、追加装甲と自重増加による運動性低下を回避すべく、プロペラントとスラスターを装甲に内蔵したほか、ハイパービームライフル、ハイメガシールドの装備による武装強化を図った。
 シャアの反乱終結によりプランは実現しなかったが、ガンダムのひとつの到達点といえるプランである。

 なお今回紹介するプラモは、HGUCで発売されたもの。ベースとなるνガンダムについても合わせてご紹介したい。
(上解説:裏辺金好/所蔵:八十八舞太郎)

●主な登場作品

 機動戦士ガンダム逆襲のシャアMSV

●八十八所員より

 RX-93νガンダム。もはや語るまでもないだろう、宇宙世紀シリーズ最強と称されるパイロット、アムロ・レイ最後の乗機。MGにHCM-Pro、様々な種類でキット化されていて、今回1/144HGUCにもラインナップ。
 なんでそんなにνばっかり?νだからさ←結論。

 上写真は…おなじみの図。肩及びシールドのエンブレムは、付属のマーキングシールを貼り付けることで再現。1/144サイズながら、考え抜かれたパーツ配置及び配色のおかげで、気になる合わせ目はほとんどなし。脇や太股の合わせ目っぽい部分は段落ちで表現されています。気になるのは武器とバックパックくらいでしょうか。

 驚くべきは頭の成型で、なんとヘルメットがトサカ部分も含め丸々一発成型というとんでもない仕様(通常なら頭を前後or左右に分けて成型→製作時に貼り合わせ、という流れになるのですが)。これにより、頭部はアゴ+マスク+ヘルメット+アンテナ2色のわずか5パーツ+センサーのシールで再現。恐るべしバンダイの技術力。

▼ギャラリー

背中

動かしてみる
 …武装も相変わらず。ライフルにバズーカ、肩と腕のサーベル2本などは全て付属。
 これ実は「Gジェネレーションスピリッツ(及び『ウォーズ』)」でのライフルの撃ち方だったり。3HITライフルおいしいです。スタンド接続用の穴も相変わらずあるのですが、何せ大きくて重いので結構支えるのが困難です。そこで、グッドスマイルカンパニーより発売されているスタンド「di:stage」を使用。
 本来ならフィギュア用らしいのですが、ジョイントの径が合うと聞いたので買ってみたらジャストサイズ。可動ジョイントがネジで増し締めできるので、大きなνでも支えることができます。HGUCを持っている人にはオススメ。


ランクアップ
 マスターグレードのνガンダムは、同シリーズの中でも最初期の製品なので比べる事自体間違っているとは思いますが、本キットはダウンサイズされながらも可動域に関しては引けを取らない…どころか上回っている部分もあります。
 それがここで少しやっている「頭が上を向く」という動作。首に関節が2つ仕込んであるので、上を向く動作ができるわけです。その他、専用持ち手による武器保持の安定度もこちらの方が遥かに上。劣っているのはサイズくらいか?難点といえば、シールドと腕との接続部が心もとなく、結構簡単に落ちてしまうことでしょうか。あとHGUC相変わらずの指ポロ。


付属品
 …付属品の一覧。フィン・ファンネルはこのサイズながら6基全てが完全変形。一部黄色部分にはシールが用いられています。
ライフル、バズーカ、シールドに加え、サーベル刃も2種類(柄尻から出ているビームも再現)付属。バズーカの弾頭は別パーツですが、カートリッジは固定。
 サーベルの鍔?の部分やバズーカのグリップは可動します。予備サーベルは設定通り左腕に内蔵可能。この辺は立体化したνではもうお決まりの領域でしょう。あとは逆シャア名物「殴りあい・宇宙」(笑)再現用の左右ゲンコツ、ライフル用、サーベル用の各右握り手と左平手に加え、バストアップ用の追加パッド…あれ?


バストアップ
 …ということで装備してみました。本キットは「FA93-HWS νガンダムHWS装備型」のものです。
 胸部、腰部、脚部に追加装甲を装着し、シールドもより大きなものを上から被せるように装備、一気に印象が変わります。バストアップに貢献している胸部追加装甲上の肩ミサイルランチャーは、若干上に動きます。頭部アンテナと干渉しやすいですが。

 メタボ化一直線…と思いきや、実は追加アーマーがあるのは胸部だけで、肩や腹などは素体と全く変わってないんですね。なので横から見ると、胸と腰だけが異様に出っ張っている妙なスタイルをしているワケです。いうなればルパン三世の峰不二子体型…ということに。基本的に左側ヘビーなので、放っておくとどんどん傾きます。腰を繋ぐボールジョイントは限界まで差し込みましょう。


背中


おっきくなっちゃった
 …武器も防具もサイズアップ。すごくゴテゴテした機体に。シールドのエンブレムはマーキングシールで再現されています。追加武装のハイパー・メガ・ライフルは、戦艦の砲塔数基分に匹敵するビームを放てる大型火器。差し替えにより銃身下部のバイポットが展開可能で、長距離狙撃にも対応可能になってるとか。

 巨大な武装ですが、右手には近年のMGキットと同様に武装を握るための「ダボ」があり、10cm以上にも及ぶ長さのライフルをしっかりと支えることができます。別パーツである砲身のパイプ部分以外は見事に真っ白なので、塗り分け甲斐がある武器です。黒&グレー、センサー部用の赤を用意してトライ。

 また、左腕のハイ・メガ・シールドには二門の大型メガ粒子砲を装備。連射こそできないものの、その威力はあのハイメガキャノンに匹敵するほど。ただ、サイズアップした為に元々抱えている「腕から外れやすい」という問題が更に顕著になってきます。

●八十八所員より その2

 このキットは先に発売されたHGUCνガンダムのランナー+追加装備分、という内容になっています。その為、余りパーツを用いれば、今回のように通常νガンダムとの差し替えも可能なわけです。その際は、差し替えが容易になるように差し込み部分を軽く削り落としてやるとよいでしょう(差し換えることになる胸ダクトや後腰アーマーは、ピンではなくダボ状の差し込み部なので、加工は比較的容易です)。

 また、元々シンプルな配色なので塗装は殆ど必要ないですが、後腰やサイドアーマー、脹脛、膝のダクト部分が見事に成型色まんまで真っ白です。腕に自信のある人は、黄色&黒(+細部に必要なグレー)で色分けしてあげるとモアベター。肩のバーニア内や、サーベルラックの黄色パーツ内にある黒部分を塗っておくのも忘れずに。

 造形、可動、MGの約半額という手軽さ、どれをとっても申し分なし。現時点におけるνガンダムキットの中では決定版と言っても良いかと思います。