○1984(昭和59)年11月30日 高砂線最終日
 我が兵庫県内は人口が比較的集中している地域であるにも拘わらず特定地方交通線に指定された盲腸線がありました。北から鍛冶屋線、北条線、三木線、高砂線の4線です。このうち篠山線と同時に「赤字83線」にリストアップされていたのは前3線で、高砂線は高砂工場があった関係から免れていたのでしょうが、残念ながら同工場が鷹取工場へ統合(実際の統合は1984(昭59)年4月)とされたため命運が尽きたものと思われます。
 これら4線に本線格の加古川線を加えた路線は播丹鉄道が敷設した路線網でした。しかし、今では加古川線は電化されたうえで立派(?)に存続していますが、各支線は北条線が第三セクター鉄道として細々と生き永らえているのみで、あとの3線は廃線の憂き目に遭っています。
 私は、「青春18のびのび切符の旅」で鍛冶屋・北条・三木の各線に乗車しましたが、通学経路を少し脱線すれば乗車できた高砂線は、『いつでも乗れる』というお手軽感から放置し続け、漸く乗車したのが別府鉄道廃線の前日。そして遂に廃線当日の11月30日(金)を迎えたわたくしは、大学でゼミがあった時間帯の前後を使って日長一日付き合うこととしました。
 (使用機種:CANON A−T、執筆 平成24年12月17日)


後ろの高架橋は明姫幹線(国道250号)
キハ30-73 大カコ 421D/高砂線鶴林寺駅


文字通り国宝の太子堂を有する寺院への最寄り駅でしたが/高砂線鶴林寺駅



高砂線といえばキハ35系というイメージでした
キハ30-73 大カコ 422D/高砂線鶴林寺−尾上間


お客さんの待つ駅へ進入していきます
キハ35-65 大カコ 422D/高砂線鶴林寺駅



名残を惜しむ地元住民とファンが混在しているようです
キハ35-65 大カコ 422D/高砂線鶴林寺駅


その中の一人がカメラを持って見送っているようです
キハ35-65 大カコ 422D/高砂線鶴林寺駅


そして誰も居なくなりました
キハ35-65 大カコ 422D/高砂線鶴林寺駅


寺院の三重塔と絡めてみました
キハ35-65 大カコ 423D/高砂線鶴林寺駅


高砂行きの利用客はまばらです
キハ30-73 大カコ 423D/高砂線鶴林寺駅


少ない利用客も今日が最後です
キハ30-73 大カコ 423D/高砂線鶴林寺駅


最後の最後まで安全確認は怠りません
キハ30-73 大カコ 423D/高砂線鶴林寺駅

高砂駅へ向けて出発していきました
キハ30-73 大カコ 423D/高砂線鶴林寺駅


交換設備のない路線ですので同じ車輌が暫く往復します
キハ30-73 大カコ 424D/高砂線野口−鶴林寺間


結構、緑深い光景ですが、今は宅地化しているのでしょうね
キハ30-73 大カコ 424D/高砂線野口−鶴林寺間


そこそこ住宅地が拡がっているのですがねぇ
キハ35-65 大カコ 424D/高砂線野口−鶴林寺間


道に沿った左のカーブは別府鉄道跡です
キハ35-65 大カコ 425D/高砂線野口−鶴林寺間


廃止後の生々しい線路跡が郷愁を誘います
キハ35-65 大カコ 425D/高砂線野口−鶴林寺間


右側の線路や側線も完全に剥がされています/高砂線野口駅



朝日を浴びながら加古川駅へと向かいます
キハ30-73 大カコ 428D/高砂線野口駅


車掌さんが扉を開きます
キハ35-65 大カコ 428D/高砂線野口駅


住宅から少し離れた駅ではお客さんは僅少・・・
キハ35-65 大カコ 428D/高砂線野口駅


車掌さんが身を乗り出して安全確認、撮影者が居ますからね
キハ35-65 大カコ 428D/高砂線野口駅


踏切で見送る人の姿が見られる時間帯となったようです
キハ35-65 大カコ 428D/高砂線野口駅


こうした光景もこの日限り、明日からはノンストップです
キハ35-65 大カコ 428D/高砂線野口駅


加古川駅を出た列車は右へカーブを切りながら築堤を上ります
どうやら編成が入れ替わったみたいです
キハ35-26 大カコ 429D/高砂線加古川−野口間

そして山陽本線をオーバークロスしていきます
キハ23-21 大カコ 429D/高砂線加古川−野口間

朝の通学電車内からこうして高砂駅へ向かう列車に必ず目線を送っていたのを
その昔、隣に座っていた家内に気付かれていましたね
キハ23-21 大カコ 429D/高砂線加古川−野口間