パン

担当:裏辺金好


○英語だと、ブレッドですが

 私の場合は、朝は必ず白い御飯ですが、日本の食生活に無くてはならない存在となった、パン。
 ・・・しかし、英語ではパンのことをブレッド bread と言うわけで、どうやら英語由来ではないらしい。では一体、パンとはどこから来た言葉なのか。実は、これはポルトガル語の pao が由来(正確には、a の上に ~ が付きます)なのです。

 もちろん、16世紀にポルトガル人たちが日本に来ていたときに、キリスト教の宣教師たちから伝わったもの。
 キリスト教の場合、パンとは生きる糧(かて)という意味にもなりますから、キリスト教を布教するときの教えの1つとして、パンという言葉が多く登場したという面もあります。

 安土桃山時代には「波牟」と書いてパンと読んでました。さらに、鎖国となった江戸時代は主に「蒸餅、麦餅」と表記。さらに、明治時代は「麺包(めんぼう)」とか、「素麺包」などと表記され、大正時代の米騒動以降、パンとカタカナで書くようになったそうです。

 ちなみに、下で紹介している製パン会社として有名なパスコのホームページを見ていただけると解りますが

 ○ラテン語の「パニス (Panis) : パン」が語源
  ポルトガル語のパン、スペイン語のパン Pan、フランス語のパン Pain、イタリアのパネ Pane

 ○ゲルマン語の「ブラウエン(Brauen) : 醸造」という言葉が語源
  英語のブレッド Bread、ドイツ語の ブロート Brot 、オランダ語のブロート Brood

 欧米系のパンを表わす言葉については、この2つに分類されるそうです。
 それでは確かに、パンとブレッドが似ていないわけですね〜。

参考文献
語源を楽しむ 増井金典 著 ベスト新書
パスコ http://www.pasconet.co.jp/community/aboutpan01.html

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