音楽のジャンルのあれこれ

○「音楽」とは何だ?

『デジタル大辞泉』(小学館)
1 音による芸術。音の長短・高低・強弱・音色などを組み合わせて肉声や楽器で演奏する。
2 歌舞伎の鳴り物の一。寺院の場面などに、笛・大太鼓・鈴などで雅楽風の演奏をする。

大辞林 第二版 (三省堂)
(1)音による芸術。時間の進行の中で、一定の法則に基づいた音を組み合わせて、人の聴覚に訴える美を表現する。

(2)歌舞伎で、人物の登場や退場に用いる囃子(はやし)。〔明治期には「いんがく」とも〕


○「クラシック音楽」とは何だ?

『デジタル大辞泉』(小学館)
ジャズ・流行歌などのポピュラーミュージックに対して、西洋の伝統的な芸術音楽。

大辞林 第二版 (三省堂)
(1)西洋の芸術音楽の総称。純音楽。

(2)「古典派音楽」に同じ。

そこで、古典派音楽で調べてみると・・・。

一八世紀後半から一九世紀の初めにかけてヨーロッパで栄えた音楽。最盛期は1780〜1810年代で、これに先立つ一八世紀中葉を前古典派ということがある。ウィーンを中心としたことからウィーン古典派ともいう。交響曲・弦楽四重奏曲、ピアノ-ソナタ、ソナタ形式などが完成された。ハイドン・モーツァルト・ベートーベンらに代表される。古典音楽。

*所長注:この定義に従えば、いわゆるクラシック音楽のコーナーで売られているCDのかなりの数が、ジャンル違いになってしまう可能性も?しかし、たしかにクラシック音楽の定義って難しいですね。現代の作曲家でも、オーケストラなどの曲を書けば、クラシック音楽に分類されることはありますし。


○「ジャズ」とは何だ?

『デジタル大辞泉』(小学館)
19世紀末から20世紀にかけて、米国南部で黒人の民俗音楽と白人のヨーロッパ音楽とが融合してできた音楽。オフビートの独特のリズム感、即興演奏などが特徴。ディキシーランドジャズ・スイングジャズ・モダンジャズ・フリージャズなどさまざまなスタイルがある。

大辞林 第二版 (三省堂)

二〇世紀初頭アメリカのニューオーリーンズに発祥したポピュラー音楽。アメリカ黒人の民俗音楽とヨーロッパ音楽の融合によって成立。四拍子の第二、四拍にアクセントをおく躍動的なオフ-ビートのリズム、即興的演奏などを基本的特徴とするが、演奏形態も手法・スタイルも今日では伝統的なものから前衛的なものまで非常に多様化している。


*所長注:大辞林、詳しく書きますね(笑)。


○「ロック」とは何だ?

『デジタル大辞泉』(小学館)
《原義は「揺り動かす、揺さぶる」の意》
1 ロックンロールのこと。
2 ロックンロールをはじめ、その流れをくむ強いビートを特徴とするポピュラー音楽。電気的に増幅した大音量のサウンドを特色とし、1960年代にビートルズが出現して以来、急速に世界に広まった。「グラム―」

ロックンロール
《rock and rollの短縮形》1950年代に米国で流行しはじめた、カントリー音楽にリズム‐アンド‐ブルースなどを取り入れた強烈なリズムのポピュラー音楽。また、それに合わせて踊るダンス。ロック。R&R。

では、ロックに戻しまして。
大辞林 第二版 (三省堂)

(1)岩。岩石。「―-ガーデン」

(2)ロックン-ロールに同じ。

(3)電気楽器を使いビートを強調した音楽。1960年代にロックン-ロールから派生し、エレキ-ギター・エレキ-ベース・ドラムスを中心とする小編成のバンドにより演奏されることが多い。

(4)オン-ザ-ロックの略。 「―で一杯やろう」

実は、岩もロックも英語で書くと同じスペルで、rock と表記するのです。

○「ポピュラーミュージック」(ポップス)とは何だ?

『デジタル大辞泉』(小学館)
ジャズ・ロック・ハワイアン・シャンソン・カンツォーネなど、クラシック音楽以外の大衆音楽の総称。軽音楽。ポピュラー音楽。ポップス。

大辞林 第二版 (三省堂)
ロック・ラテンなど、広く一般に親しまれている欧米風民衆音楽。クラシック音楽以外の、大衆的な音楽。

 

○「演歌」とは何だ?

『デジタル大辞泉』(小学館)
1 明治10年代に、自由民権運動の壮士たちが、その主義主張を歌にして街頭で歌ったもの。のちに政治色が薄くなり、悲恋・心中の人情歌をバイオリン・アコーディオンなどに合わせて歌う遊芸になり、「艶歌」とも書かれるようになった。
2 日本調流行歌の一。小節(こぶし)をきかせた浪曲風メロディーで二拍子、短調の曲が多く、義理人情を歌う。
3 「つやうた(艶歌)」に同じ。

大辞林 第二版 (三省堂)
(1)明治中期、自由民権を主張する壮士たちが演説がわりに歌った歌。「民権数え歌」「ダイナマイトドン」など。書生節の源となった。大正末期には、政治色のない大道芸として街頭でバイオリンの伴奏で歌われた流行歌(「はいから節」「籠の鳥」など)をいう。

(2)日本的な哀愁を帯びた歌謡曲一般をいう語。

※所長注:マジですか。演歌って、元々はそういう意味の曲のことだったとは。

○「雅楽」とは何だ?

『デジタル大辞泉』(小学館)
1 古代の中国で、庶民的な俗楽に対し、貴族的な雅正な楽。宮廷の儀式、祭祀(さいし)などに用いられ、12世紀初めに朝鮮半島にも伝わった。
2 奈良・平安時代に完成し、宮廷・寺社などで行われた音楽。また、それによる舞。1を輸入したものとそれを模したもの(唐楽・高麗楽(こまがく)など)、外国渡来の楽器を伴奏とする新しい声楽曲(催馬楽(さいばら)・朗詠など)、日本固有の歌舞(神楽・東遊(あずまあそ)びなど)の三つに大別される。

大辞林 第二版 (三省堂)
〔雅正の楽の意〕
奈良時代に朝鮮や中国などから伝来した音楽、およびそれに伴う舞。また、それを模倣して日本で作られたもの。右楽(うがく)と左楽(さがく)に大別される。

舞を伴わないものを管弦、舞のあるものを舞楽という。神楽・東遊(あずまあそ)び・久米舞(くめまい)・催馬楽(さいばら)・朗詠などを含めてもいう。宮廷音楽として平安時代に栄え、寺社でも演奏された。正楽(せいがく)。

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