馬鹿

○意味

ばか 【馬鹿・莫迦】
〔梵 moha(愚の意)の転か。もと僧侶の隠語。「馬鹿」は当て字〕
 @ 知能の働きがにぶい・こと(さま)。そのような人をもいう。 ⇔ 利口 「 −な奴やつ」 
 A 道理・常識からはずれていること。常軌を逸していること。
 B 程度が並はずれているさま。度はずれているさま。 → 馬鹿に
 C 役に立たないさま。機能を果たさないさま。 「スイッチが−になる」
 D 特定の物事に熱中するあまり、社会常識などに欠けること。 「学者−」 「専門−」 「親−」  (以下略)
(三省堂 大辞林)

ばか 【馬鹿・莫迦】
 種々の説があるが、『大言海』『広辞苑』などは、梵語モーハ〈痴〉またはマハラカ〈無知〉から出た語で、僧が隠語として用いたとしている。中村元『仏教語大辞典』は馬鹿として、梵語bakaまたはmoha〈無知、迷い〉の意の音写といわれるとして「愚かなこと。愚かな人」と記す。
 (世界宗教用語大事典)

○解説

 馬鹿の語源の1つとして有力なのが、サンスクリット語で、無知や迷妄を意味する「baka」「moha」の音写「莫迦(ばくか)」「募何(ぼか)」から転じたものだとか。日本では、鎌倉時代末期頃から「ばか」の用例があり、室町中期の「文明本説用集」には、馬鹿の異表記として、「母娘」「馬娘」「破家」をあげ、「とんでもない」の意味で「狼藉之義也」と説明しています。・・・「母娘」は失礼ですね!

 以上のことから、「ばか」を「馬鹿」と書くのは、当て字と考えられるそうです。

 もっとも、馬鹿の語源のもう1つの説ととして、「鹿をさして馬となす」(「史記(秦始皇本紀)」の故事)があります。

 これは、古代の秦の時代。
 始皇帝が亡くなった後、権力を握っていた宦官の趙高が、果たして自分はどれほど恐れられているか確かめるため、二世皇帝である胡亥に鹿を「馬である」と言って献じました。二世皇帝は「何を馬鹿なことを言っておる、鹿ではないか、なあ」と群臣達に言ったものの、群臣達は趙高の権勢を恐れ、「陛下、あれが馬であることをお解りになりませぬか」と答えたとか。

 もちろん勇気ある者、もしくはその場の空気を読んでいなかった者の中には、「陛下の仰るとおり鹿でございます」といった者もいましたが、それは趙高に処刑されました。このことより、「馬鹿」とは自分の権勢をよいことに、矛盾したことを押し通す意味から転じたとか。これは中国史好きなら結構有名な話ですね。

 そんなわけで何げに使う日本語でも、実はサンスクリット語や外来語が由来だったり、「まじで〜?」という若者言葉は、実際には平安時代から「まじから」「まじけれ」として使われていたりとか、色々面白い発見があります。

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