素晴らしき四字熟語の世界
第1回:相手を侮辱する四字熟語(1)

written by 裏辺金好

○パッシング必死の企画、か?
 2chはじめ、色々なホームページなどを見ておりますと、それはもう見るに堪えない侮蔑の言葉が出てきます。
 しかもどれも、「氏ね」「ウルセェ!!」「ヴォケ」「ハァ?」など、どれもこれも、何のひねりもない低俗な言葉ばかり。いけません! このようなレベルの低い争いは封印すべき、見るに堪えない! ・・・てなわけで、ここは一つ、先人達の偉大な知恵である四字熟語を借りてこよう、というのが今回の企画です。

 この企画の出発点は、非常に不謹慎極まりないかも知れませんが、読んで頂けたらきっとお解り頂けることでしょう。「漢字四文字で良くこんな言葉を考えられるな」、ということに。さあ、友人同士で言い争いをする時にも、是非使いましょう。きっと、色々な四字熟語を探す方が楽しくなってきますよ。でも・・・エスカレートしすぎて、殴り合いにならないように。

 第1弾は、「あ」〜「お」までやってみます。不評だったら・・・これで終わりになるかも・・・(笑)。

○「あ」で始まる四字熟語から
 曖昧模糊 あいまいもこ
  はっきりせず、曖昧な様子(そのまんまじゃん。模糊も曖昧と同義です)。

 愛楊葉児 あいようように
  元々は仏教用語。浅い教えで満足し、より深い教えを求めようとしないこと。
  例えば、稚拙な論文や研究をした人間に対し非難する時などに使います。
  ちなみに、楊(柳=やなぎ)の葉が黄色に輝くのを、幼児が金だと勘違いして愛している様子です。

 悪逆無道 あくぎゃくむどう
  今では全く話題にもあがらない、織田無道の親戚・・・じゃなくて、人としての道に背いた、非常に悪い行い。

 悪婦破家 あくふはか
  悪い嫁さんが、家庭と夫の人生をぶち壊すこと。

 悪口雑言 あっこうぞうごん
  言葉の限りを尽くして、悪口を言いまくること。

○「い」で始まる四字熟語から
 唯々諾々 いいだくだく
  物事の善悪や妥当性は判断せず、ただ言われたことを素直に従っているだけのこと。

 衣冠禽獣 いかんきんじゅう
  服を着て冠をかぶった鳥や獣のこと(禽=鳥)。人格が低俗な人間のことをいいます。
  これは凄い言葉ですね。

 意志薄弱 いしはくじゃく
  やる気がなく、忍耐力もないこと。

 石部金吉 いしべきんきち
  非常に頑固で融通が利かないこと。
  石と金(かね)は、どちらも非常に硬いものですが、その2つを人名のように組み合わせた面白い四字熟語です。

 一言居士 いちげんこじ
  まず自分が一言、言わないと気が済まない人。

 一事無成 いちじなるなし/いちじすら なるなし
  たった1つのことさえ出来ないこと。

 一斑全豹 いっぱんぜんぴょう
  豹の毛皮の斑(まだら)1つから、豹全体について語ってしまうこと。
  つまり、物事の一面だけを見て全体について批評するさま。良くやってしまいますね・・・。
 
  慇懃無礼 いんぎんぶれい
   言葉遣いが丁寧すぎて、かえって無礼なこと。へりくだりすぎは不快な印象を与えることもありますね。
   もしくは、表面上は丁寧だが、実は尊大な態度を内側に秘めている様子。

○「う」で始まる四字熟語から
 烏合之衆 うごうのしゅう
  統率が全くとれておらず、規律のない群衆のこと。

 有財餓鬼 うざいがき
  仏教用語。欲が深い人間のこと。

○「え」で始まる四字熟語から
 燕雀鴻鵠 えんじゃくこうこく
  小人物は大人物のスケールの大きな夢を理解できないこと。
  燕や雀のような小さな鳥には、鴻(おおとり)のような大きな鳥の考えは理解できない、ということから。

○「お」で始まる四字熟語から
 横行闊歩 おうこうかっぽ
  悪人が堂々と道を歩いていること。例えば「こんな不正が横行闊歩するようでは・・・」のように使います。

 屋下架屋 おくかかおく
  屋根の下に屋根を架ける、つまり、他人の模倣で独創性がないこと。
  もしくは不必要な余計なまねのこと。

 外交辞令 がいこうじれい
  外交で相手を気分良くさせるために使う、形式的なお世辞。
  つまり口先だけの言葉。

棒
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