護衛艦「しらね」型
       "Shirane" Class

DDH-144「くらま」
(撮影:デューク)
●基本データ
種別
警備艦(DDH)
主機
蒸気タービン2基・2軸
登場年
1980年
速力
32kt(DDH−143)
31kt(DDH−144)
基準排水量
5200t
搭載機
・哨戒ヘリ3機
全長
159m
乗員
350名(DDH−143)
360名(DDH−144)
全幅
17.5m    

●兵装一覧
 Mk-42 127o54口径単装砲2基
 MK-29 シースパロー短SAM8連装発射機1基
 Mk-112 アスロックSUM8連装発射機1基
 324o短魚雷3連装発射管2基
 Mk-15 20oCIWS2基

●解説

 「はるな」型に続いて建造されたヘリ搭載護衛艦。
 本型は基本的に「はるな」型の拡大改良型であるが、マックが2本になり、上構一層高くなるなど印象が多少変わっている。また、本型は護衛艦としてははじめてウェポンシステムをコンピュータで統括したシステム艦であり、個艦防空用にシースパローやCIWS(「くらま」のみ竣工時より搭載)を搭載するなど戦闘能力はそれまでの艦艇に比べて大幅に強化された。

 さらに新型のOQS-101ソナーやOPS-12三次元レーダー、電子戦装置、曳航式ソナー(新造時は「くらま」のみ)を新たに装備するなど注目を集めた。「しらね」と「くらまは」基本的に同型であるが、艦底部のフィンスタビライザーが「しらね」が1基なのに対し、「くらま」は2基であるなど、細かい点で異なっている。また、本型は「はるな」型とともに各護衛隊群直轄艦として旗艦任務についていたが、組織改変で変更となっている。

 なお「しらね」は竣工後は、観艦式においては内閣総理大臣が乗艦する観閲部隊旗艦をつとめており、海上自衛隊の顔とも言うべき存在といえる(2006年の観艦式では「しらね」がドック入りしていた関係で「くらま」が観閲部隊旗艦となった)。バランスの取れた艦影は「たちかぜ」型や「たかつき」型等とともに非常に高い人気を誇っている。

 また、「くらま」はアフガニスタンにおいて、アルカイーダの殲滅作戦を行っている米英軍の支援のためにインド洋に派遣された。その後はイージス艦が派遣され、旗艦となっている。なお、「しらね」は派遣されなかった。

 2004年に「たかつき」型が除籍されたため、短SAMの誘導装置等の装備の一部を「しらね」型に移設している。
 
 後継艦として、ヘリコプター搭載能力などを飛躍的に向上した「いずも」型が登場。2015(平成27)年3月には、1番艦である「しらね」が退役した。

艦番号
艦名
竣工日
DDH-143 しらね 1980年3月17日
DDH-144 くらま 1981年3月27日

●ギャラリー


DDH-143「しらね」
(写真:清水港/撮影:ロクマルサン様 禁転載)