A7V突撃戦車


ボービントンの戦車博物館で展示されている504 Schnuckのレプリカ。
(撮影:イギリス 戦車博物館/撮影:秩父路号)

●基本データ

登場年:1917年
重量:33t
全長 8m
全幅:3.1m
要員数:18名

●解説

 1917年に試作車が登場し、1918年に実戦投入されたドイツ軍初の戦車。塹壕線を突破することを目的に、1916年11月に設立されたA7V開発委員会によって開発されたもので(※A7Vは戦時省運輸担当第7課の頭文字)、ベルリンのダイムラー社が基本生産を行い、試作車を含めて22両が製造された。

 箱型構造の走行車体と上面の箱型操縦室、内部に収められた足回りが特徴で、57mm砲×1と、7.92mm機銃×6を装備。

 1918年4月24日、イギリスのMk.IV戦車を相手に世界初の戦車戦を繰り広げたことで有名。しかし連合国側が戦車を大量投入したことに対し、20両程度しか量産されず第一次世界大戦における戦況の好転には貢献しなかった。オーストラリア軍が回収した506号が、ブリスベンのクィーンズランド博物館にて展示されており、唯一の現存例となっている。また、可倒式の板で荷台を造った輸送型のA7Vも存在したほか、イギリスから鹵獲した菱型戦車を参考に機動力を向上させたA7V/U突撃戦車も開発されたが、こちらは実戦投入されること無く終戦を迎えている。

●ギャラリー




ムンスター戦車博物館(ドイツ)で展示されている「ヴォータン号」。実車はオーストラリアが鹵獲した「メフィスト号(sn. 506)」 (クイーンズランド博物館で展示)しか現存していませんが、これを元に「ヴォータン号」(sn.563)を精巧なレプリカで再現したのが、本展示車両。内部の様子まで良く解ります。なお、愛称のWotanはオーディンのこと。
(撮影:秩父路号)

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