郡山城(大和国)〜奈良県大和郡山市〜


○解説

 (大和)郡山城は戦国時代に筒井順慶が築城し、安土桃山時代には豊臣秀長の居城となって大和、紀伊、和泉100万石の中心として整備されました。
 その後、増田長盛、そして江戸時代には松平家や本多家などを経て、徳川綱吉側近として活躍した柳澤吉保の息子、柳澤吉里が甲府から入封すると、その子孫が明治維新まで領有。歴代柳澤家の藩主は学問を奨励し、多くの優れた人物を輩出しました。
 現在は復元された追手門と追手向櫓(上写真)、追手東隅櫓、十九間多聞櫓などが往時を偲ばせるほか、柳澤家の菩提寺である永慶寺の山門は、郡山城の城門を移築したものといわれています。また、天守台が2013(平成25)年から2017(平成29)年にかけて調査・整備され、展望台施設として登ることが可能になりました。
 日本さくら名所100選に選ばれた桜の名所で、4月1日から開催される「おしろまつり」には多くの花見客が訪れます。
(写真&解説:裏辺金好 ※特記を除く)

○場所



○風景


縄張図


追手向櫓(左)と追手東隅櫓(右)


追手門

追手向櫓


追手向櫓と桜 (撮影:Kircheis様 ※禁転載)


(撮影:Kircheis様 ※禁転載)


天守台から東方向を見る

旧・奈良県立図書館 【奈良県指定文化財】
 1908(明治41)年築。日露戦争の戦勝を記念して、奈良公園内に建てられたもの。木造2階建て、入母屋造で千鳥破風付きの主棟と平屋建ての両翼を持つ優美な形状です。
 背後に煉瓦造の書庫や木造の附属屋が接続していましたが、1968(明治43)年に本館のみ郡山城内へ移築され、市民会館や教育施設として使われています。


本丸の堀



天守台


柳澤神社
本丸の天守台前に建つもので、柳澤吉保を祀ります。


永慶寺山門 【大和郡山市指定文化財】
豊臣秀長の時代に南御門として建築されたもので、小形の棟門形式。幕末に郡山城のすぐ南側にある永慶寺に移築されました。


鷺池




松陰門跡


中仕切門跡


柳御門跡


百寿橋 【土木遺産】
大和郡山市役所前にある中堀跡に架かるもので、1926(昭和11)年に市民の寄付によって架け替えられたもの。照明を兼ねた城郭建築を模したオブジェが印象的で、これは2014(平成26)年に復元されたもの。




箱本館「紺屋」
江戸時代から続いた藍染め商の町家を再生したもの。藍染体験や金魚をテーマにした美術工芸品・生活用具などの展示が見られます。なお、箱本とは郡山にあった自治組織のこと。紺屋町は箱本を構成する中心的な町の1つでした。


外堀跡

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