2.全国に広がる鉄道網

 鉄道はその後、新橋〜野毛間29kmが1872年9月に、大阪〜神戸間32.7kmも74年5月に、77年には大阪〜京都間も開通し、89年7月に新橋〜神戸間(約600.2km)に東海道本線が開通します。
 さらに91年9月には半官半民の日本鉄道会社により、上野〜青森間の全線(約730.7km 東北本線)が開通するなど、国営、民間双方で鉄道建設が進められました。蒸気機関車も、初期の頃とは違い大型化が進み、またその一方で、地方の私鉄では軽便鉄道と呼ばれる小型の鉄道も開業していきます。
 ところが、全国に広まった私鉄網。日清戦争・日露戦争で鉄道は国の軍事的意味合いから国有化すべきだと言うことになり、1906年に鉄道国有化法が公布されると、重要な路線は全て国有化され、また戦争色が強くなると、軍事的に重要な場所に鉄道が建設されていきます。
 そのため、私鉄はあくまで地域輸送に徹することになり、建設が進められていきます。特に住宅開発などとセットで行われることが多く、代表例として田園調布があげられます。
(写真は、蒸気機関車D51 2号機。交通科学博物館にて)
東京急行田園調布駅
 東急の前身である目黒蒲田電鉄が、大正12年に目黒〜丸子(現:沼部)間に鉄道を開通させた時に建設。同地は大正7年より、田園都市会社(目黒かまた電鉄の親会社)によって宅地造成が行われていた場所。
 なお、地下駅化に伴い一時的に取り壊されましたが、平成12年に復元され、今に至っています。
旧 山陽ホテル
 現在のJR山陽本線を開業させた山陽鉄道が、明治35年に建設したホテル。当初は木造だったが焼失したため、鉄道国有化後の1923(大正12)年に現在の建物に建て替えられました。
 戦前は、下関から大陸渡航する皇族や政府高官ご用達の本格的ホテルでした。現在は建物が辛うじて残っていますが、先行きは不安。
(撮影:ムスタファ
東武鉄道デハ1形5号電車
 1924(大正13)年10月1日、東武鉄道の浅草(現業平橋)〜西新井で初の電車運転が開始。その際に用意されたのが、この車両。
(東武博物館)
鉄道省(→国鉄) ED16 1電気機関車
 昭和になると電気機関車も登場。写真は1931(昭和6)年製造のED16の1号機。準鉄道記念物。
(青梅鉄道記念公園)
鉄道省(→国鉄、JR西日本)クモハ42
 1933(昭和8)年製で、2003年3月まで第一線で現役だったクモハ42。現在は動くことなく工場で保管。
(小野田支線 雀田駅)