鉄道のあゆみ
12.路面電車の衰退と再生

広島電鉄の超低床車両グリーンムーバー。郊外から市内に直通。現在はグリーンムーバーmaxも登場。
広島電鉄は路面電車の博物館としても名高い。廃止された京都市電の車両は広島で現役で活躍している。
岡山電軌の超低床車両MOMO。 富山市の富山地方鉄道。
高岡を走る第三セクター「万葉線」は、超低床車両を導入し再生を図る。 唯一の都電の生き残り荒川線。

▼所蔵品解説

 路面電車の定義は難しいですが、一般に道路上に引かれた軌道を走る電車です。そのため、1970年代に車が急増すると、路面電車を廃止して車線を広げる動きが各地で起こり、最盛期には全国で1480kmもあった路線も、現在では一部の都市でわずか約230kmです。
 特に、東京・名古屋・京都・大阪では市街地の大半を路面電車が走っていましたが、多くが廃止され、地下鉄で代替。

 一方、同じく路面電車を縮小したヨーロッパでは、人と環境に優しい乗り物として再評価。中心市街地の活性化と合わせ、路面と車体の段差を殆ど無くした超低床車両(LRV)を導入し、高速運転を開始(この方式の路面電車をLRTといいます)。路線を郊外まで延長し、郊外に駐車場を設け、中心市街地には車の乗り入れを禁止するなどの大胆な施策で再生が進んでいます。

 日本においても熊本で超低床車両が導入されたのを契機に、広島、岡山、高知、鹿児島、高岡等で運行を開始。
 また、広島や高知で路面電車の電停とJRの駅を直結し、乗り換えを便利にする工事を実施し利便性を向上。
 そして、廃止になった高岡の路面電車を、行政主導の第三セクターが受け継ぎ、JR富山港線は富山市が主体となって路面電車化が進められ、福井鉄道は廃線になった岐阜の路面電車の車両を譲り受け、路面電車化を進めています。
 さらに、札幌市や熊本市が本格的に路線延長の検討を進めている他、宇都宮市や堺市が新規路線の建設を計画。公共交通再生の旗印として、路面電車が熱い脚光を浴びています。