○埼玉県秩父市〜秩父鉄道と長瀞ライン下り〜/撮影日:2006年10月7日(土)
 この時期は、外に出かけてリフレッシュしなければ損! てなわけで、久しぶりに友人の味野源次氏(このホームページでは世界の旅 ヨーロッパ編を担当)と、我々2人と大学時代からの友人であるU氏と共に、秩父に行ってまいりました。意外にも私は数年ぶりに西武鉄道に乗車となり、しかも秩父へ行くのは初めて。見るものすべてが珍しい、ということはこのこと。早速、途中の所沢駅で西武鉄道9000系を撮影。

 そして西武秩父駅へ到着(上写真は301系)。ここから、秩父の旅がスタートします。

 ・・・と言いながら、今まで撮影したことの無かった西武4000系が入線して来たので、あわてて撮影。
 ま、何はともあれここから、秩父鉄道秩父駅近くにある秩父神社へ歩きます。

 まず早速、なにやら古そうな寺が見えたので訪問すれば、慈眼寺という寺。1878(明治11)年の秩父大火後に再建されたものだそうで、彫刻がとにかく素晴らしい。建物は小さいですが、非常に凝ったつくりになっており感動的です。なお、U氏は寺には興味が無く、ひたすら寺(付属の幼稚園)で飼われているニワトリたちを堪能していました。

 ここから秩父神社への参道までは、近代建築が非常に多く残っています。こちらの片山医院も、なかなか立派な洋館。このほか、江戸時代からの立派な門が残る家や、昭和30年代の雰囲気を良く残した商店街など、建築好きには意外に堪能できる場所です。

 さて、秩父神社へ到着。秩父神社の社殿は、徳川家康が寄進したもので、やはり彫刻が素晴らしい。

 例えば、こちらの「つなぎの龍」は名工、左甚五郎の作で、神社の東北を守護する「青龍」。
 秩父十五番札所の小林寺近くにある「天が池」に龍が住んでいて、暴れだすとこの彫刻の下に水溜りが出来たとか。そこで、この彫刻を鎖で縛ったところ、以後、龍は暴れなくなったという伝説があります。これが、「つなぎの龍」と呼ばれる所以です。

 さて秩父鉄道に乗車し、終点の三峰口駅へ。

 ロープウェイで三峰神社へ行って・・・と思いきや、我々が乗った列車が到着した瞬間に、ロープウェイに接続する「数少ない本数の」バスが出発するという、とてつもなく観光客虐めをしてくれた上、そもそもロープウェイは運転休止中。というわけで、駅周辺を散歩することにしました。これが、意外に風光明媚で楽しい。

 途中では猿が出現!! かなりの集団で歩いていたので、まさかハンサムな所長の顔に向かって攻撃を仕掛けられないか心配でしたが、・・・・スミマセン、余計な一言が入っていました・・・が、幸いにも事なきを得ました。いやはや、野生の猿を間近で見ることになろうとは。

 さて、三峰口駅から川を挟んだ対岸を歩くと、贄川宿(にえかわじゅく)という文字が。どうやら、秩父往還の宿場町だったところのようです。さすがに、当時の建物は残っていないようですが、それでも昭和初期ぐらいの住宅を改装して、大事に使っている家が多いようで、昔の雰囲気を良く残しています。小さい宿場町でしたが、それがまた旅情を誘いますね。

 贄川宿をぬけると、U氏が突如として河原に向けて進撃を開始。河原と言えば、まさに3枚目の写真に写っている場所です。かなり下っていくことになり・・・ということは、帰りは登って行くことになるわけですが・・・U氏は私の不安なぞお構いなしに前進。というわけで、やってきました。釣りをしている人も数名。いやあ、実にいい空間です。なお、何とかして対岸に渡ろうと試みた3名でしたが、残念ながら「渡れそうで、渡れない。濡れてもいいなら大丈夫かもしれないけど・・・」という微妙な状況のため、安全策をとり断念。もと来た道を戻ることにしました。

 さて、実は私の目的は三峰口駅で開催された、秩父鉄道3000系(左の車両)の「さよならイベント」。元々は、JR東日本の急行型電車165系を改造した車両で急行「秩父路」として活躍。今やJRに165系の現役車両が無いため、秩父鉄道3000系は非常に貴重な存在でした。これからは、西武鉄道の車両を改造した、右の6000系が急行「秩父路」として活躍します。

 ちなみに、三峰口駅は鉄道公園となっており、秩父鉄道で活躍した電車や電気機関車、貨車などが多数展示されています。3000系も、ここに加わってくれることは・・・無いでしょうか。

 さて、こんどは秩父鉄道の長瀞(ながとろ)駅へ移動します。小さい駅舎は、これもなかなか、近代建築の立派な風格。

 ここから荒川へ向けて歩きます。紅葉が実に素晴らしい。

 そしてここから、長瀞ライン下りという小船に乗って、ゆらゆらと下流に向かいます。最近は水量が少なく、なかなか運行時間もかかるし、迫力が無いんだよなとの船頭さんのお言葉でした。いやいや、私には十分!!

 長瀞ライン下りは、こんな感じで進んでいきます。どうです、実にいい雰囲気でしょう! 
 紅葉もまさにいい具合で、来週ぐらいまでは十分楽しめそうです。

 ちなみに、船頭さんもいつも漕いでいるわけで無く、時折川の流れに任せます。

 さて、このあとは上長瀞駅近くにある、埼玉県立自然の博物館へ。ここには、パレオパラドキシアの化石や、大昔の巨大ザメ「カルカロドン メガトロン」の展示、さらに埼玉県の四季折々の自然と生息する動物たちをそのまま再現したコーナーなど、見所が満載。特に、「さわれる剥製(はくせい)」のコーナーでは、色々な動物たちを触ることが出来ます。本来、剥製は色々な薬品などを使って保存しているため、触るのは意外に危険なのだとか。そこで、安全な剥製を展示し、動物たちの毛並みに触れることが出来るわけです。

 ちなみに、意外に個人的に気に入ったのが、上写真の色々な石のコーナー。学生の頃、礫岩とか、砂岩とか、石灰岩とか、色々と覚えさせられましたね。こうやって、実物を見て覚えると、非常に解りやすいと思うんですけどね。学校教育も、もうちょっと教科書を読むだけの教育から、考え直して欲しいところ。

 さて、これまた昔ながらの雰囲気を残す上長瀞駅へ到着。いよいよ帰路につきます。

 そして、今度は寄居駅で東武東上線に乗車。東上線に乗ることも滅多に無く、やはり数年ぶりの乗車。それより問題なのが、既にほとんど資金がほぼ底をつき、味野源次氏から借りる羽目に。え〜、長瀞ラインくだりの乗船賃も含めて、2500円です。お金を返し忘れてはいけないので、敢えてここに記しておきます。実は、秩父でお金を下ろそうと思ったのですが、コンビニがまったく見当たらない・・・。そういや、銀行のATMもまるで見かけず。セブン=イレブンの「セ」の文字も見かけなかった、旅行でございました。