D51形蒸気機関車


京都鉄道博物館で保存されているD51 1号機。
(撮影:裏辺金好)

●基本データ

デビュー年:1936(昭和11)年
最高速度:85km/h

●数多くの車両が保存され、人気抜群のデゴイチ

 鉄道省が設計、開発したテンダー式蒸気機関車で、開発には新幹線の開発で中心的な役割を発揮する島秀雄を設計主任を務めた。主に太平洋戦争時に大量製造されたことにより、国鉄には1115機が所属したほか、 戦時中には台湾総督府鉄道(のち台湾鉄路管理局DT650形)、戦後にはサハリン向けにも製造された。このため、様々なバリエーションが存在し、外観も様々である。

 日本全国で見られたこともあり、SLブームの中心的な存在「デゴイチ」として好評を博し、1975(昭和50)年に全機が運用離脱した後も、相当数が静態保存されており、今も全国各地で見ることが出来る。ただし、本線上の走行が可能なように動態保存されているのは、JR東日本が復元したD51 498号機とJR西日本が復元したD51 200号機である。

 D51 200号機については、以前は有車籍でありながら全般検査を受けておらず、梅小路蒸気機関車館(現・京都鉄道博物館)での展示運転に使用されているのみであり、本線上は走行していなかった(なお、同施設ではトップナンバーである1号機は静態保存機)。しかし、全般検査が2014(平成26)年12月に開始され、2017(平成29)年11月25日の「SLやまぐち号」で本線運転を再開した。

●ギャラリー


D51 1〜85、91〜100
(D51 51 トロッコ嵯峨駅前19世紀ホール/撮影:ロクマルサン)
ボイラー上の砂箱と煙突の間に給水暖め器をレール方向に置き、それらを覆う長いキセ(着せ=覆い)持つ。特徴的な形状から「ナメクジ」型とも呼ばれる。

D51 86〜90、101〜954
(D51 498 高崎線 高崎駅/撮影:デューク)
大量製造されたD51の標準型。長いキセは廃されたほか、動輪重量の配分の修正、動力式逆転機を手動式に変更する等の設計変更が行われた。

D51 1001〜1161
(D51 1108 JR東日本新幹線総合車両センター/撮影:裏辺金好)
D51の戦時設計機。資材の節約と工期短縮のため、一部部品の木材代用、煙室前部上方と煙室扉上部の丸みの省略、ドームのカマボコ形化などが行われた。

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