形式ガイド【113系】

▼0番台

 113系最初の区分で、制御車と付随車は111系時代からの続き番号を使用。モハは111系の出力増強版の位置づけで、モハ112、モハ113と新たな番号が与えられた。なお、ここでは単純にまとめてしまったが、制御車は製造時期によって細部が異なっている。


クハ111−1〜
(クハ111−539 東海道本線 東京駅/撮影:裏辺金好)

▼1000番台

 横須賀線・総武線の東京地下駅開業を見越して、長大トンネルに対する不燃化対策(当時のA−A基準)が施されたグループ。マイナーチェンジが繰り返されており、様々な形態が存在している。


クハ111−1026〜
(クハ111−1128 内房線 蘇我駅/撮影:裏辺金好)
1001〜と異なり、ユニット窓化され、ATC装置を搭載して登場。1064〜は新製時から冷房を搭載。

クハ111−1340〜
(クハ111−1428 内房線 蘇我駅/撮影:裏辺金好)
1301〜と異なり側面行先表示器、循環式汚物処理装置を取り付けて登場したグループ。

モハ113−1001〜
(モハ113−1250 内房線 蘇我駅/撮影:裏辺金好)

モハ112−1001〜
(モハ112−1250 内房線 蘇我駅/撮影:裏辺金好)

▼2000番台

 1978(昭和53)年に登場した地上温暖地向仕様の番台で、0番台と比べてクロスシート部のシートピッチ拡大、座席幅の拡大や、これに伴う窓割付の変更、座席定員の減少などが変更点。


クハ111−2001〜
(クハ111−2048 東海道本線 東京駅/撮影:裏辺金好)

クハ111−2146〜
(クハ111−2159 内房線 蘇我駅/撮影:裏辺金好)
クハ111の2000番台は元々便所無しで製造されたが、2146〜は便所が復活している。

モハ113−2001〜
(モハ113−2074 内房線 蘇我駅/撮影:裏辺金好)

モハ112−2001〜
(モハ112−2074 内房線 蘇我駅/撮影:裏辺金好)

▼グリーン車

 東京を発着する東海道本線や横須賀線に連結されたグリーン車で、113系オリジナルグループのほか、特急形電車からの改造車、JR化後に製造された211系の車体と同様の2階建てステンレス車も存在していた。現在は2階建てステンレス車が211系に編入されたほかは現存していない。


サロ110−1201〜
(サロ110−1224 東海道本線 東京駅/撮影:裏辺金好)
座席をリクライニングシートにしたグループ。

サロ124−1〜
(サロ124−4 東海道本線 東京駅/撮影:裏辺金好)
211系のサロ212と同じ車体で製造された113系グリーン車。ちなみに東海道線向けはTR69台車、横須賀専用はTR239G台車を履いている。

▼5000番台

 JR西日本所有の0番台に110km/h対応の高速化改造を施したもの。また、JR東海が所有していた非冷房の0番台に冷房を設置した車両もである。どちらも、元の番号に5000を加えている。


クハ111−5001〜
(クハ111−5256 福知山線 福知山駅/撮影:ロクマルサン)

▼5300番台

 元々は山陰本線園部〜福知山間電化時に導入されたクモハ113+クモハ112で構成されるワンマン運転可能な300番台で、モハ113+モハ112のユニットに廃車になったクハ111の運転台を移植している。応荷重装置と耐雪ブレーキ取り付け工事に伴い、車番号に5000が加えられている。阪神淡路大震災の影響で5301・5306・5308が欠番となっている。


クモハ113−5302〜
(クモハ113−5307 福知山線 福知山駅/撮影:ロクマルサン)

クモハ112−5302〜
(クモハ112−5307 福知山線 福知山駅/撮影:ロクマルサン)

▼5700番台

 JR西日本が700番台に110km/h対応の高速化改造を施したもので、元の番号に5000を加えている。なお、700番台は0番台をベースに耐寒耐雪構造を追加した湖西線用の寒冷地仕様車である。


クハ111−5751〜
(クハ111−5767 湖西線 おごと温泉駅/撮影:ロクマルサン)
山科方(西側)の制御車は5750番台と区分されている。

モハ112−5701〜
(モハ112−5720 湖西線 おごと温泉駅/撮影:ロクマルサン)

モハ113−5701〜
(モハ113−5720 湖西線 おごと温泉駅/撮影:ロクマルサン)

クハ111−5701〜
(クハ111−5717 湖西線 おごと温泉駅/撮影:ロクマルサン)

▼7000番台

 JR西日本が2000番台に110km/h対応の高速化改造を施したもので、元の番号に5000が加えられている。


クハ111−7001〜
(クハ111−7070 東海道本線 大阪駅/撮影:ロクマルサン)

モハ113−7001〜
(モハ113−7069 福知山線 福知山駅/撮影:ロクマルサン)

モハ112−7001〜
(モハ112−7069 福知山線 福知山駅/撮影:ロクマルサン)
宮原総合運転所所属の4両編成はパンタグラフを2基装備している。

モハ113−7501〜
(モハ113−7517 東海道本線 大阪駅/撮影:ロクマルサン)
モハ113−7501〜・モハ112−7501〜は高速化対応改造の上にブレーキテコ比改造を施しさらに500加えている。

モハ112−7501〜
(モハ112−7517 東海道本線 大阪駅/撮影:ロクマルサン)

▼7700番台

 JR西日本が2700番台に110km/h対応の高速化改造を施したもので、元の番号に5000を加えている。なお、2700番台は2000番台をベースに耐寒耐雪構造を追加した湖西線用の寒冷地仕様車である。


クハ111−7751〜
(クハ111−7754 湖西線 おごと温泉駅/撮影:ロクマルサン)
山科方(西側)の制御車は7750番台と区分されている。

モハ112−7701〜
(モハ112−7704 湖西線 おごと温泉駅/撮影:ロクマルサン)

モハ113−7701〜
(モハ113−7704 湖西線 おごと温泉駅/撮影:ロクマルサン)

クハ111−7701〜
(クハ111−7704 湖西線 おごと温泉駅/撮影:ロクマルサン)

▼体質改善車

 JR西日本が新車の221系・223系との設備の差をなくすため、また113系を短期間で置き換える経済的余裕が無かったため施工されたリニューアル工事。
 「体質改善N40」と呼ばれる改造メニューでは、側窓の交換・屋根の張り上げ化・ベンチレーター撤去など大掛かりな改造が行われ、外観が変化している。内装も座席の転換クロスシート化など設備が223系並みのものになり、新車同様にリニューアルされた。2002(平成14)年以降は改造費用節約のために窓・雨どいの工事を省いて簡略化した「延命N30」に移行した。 また、リニューアル車は、「カフェオレ色」と呼ばれるベージュと茶色の塗装に変更された。


クハ111
(クハ111−7161 東海道本線 大阪駅/撮影:ロクマルサン)
N40施工車。

モハ113
(モハ113−7513 東海道本線 大阪駅/撮影:ロクマルサン)
N40施工車。

モハ112
(モハ112−7513 東海道本線 大阪駅/撮影:ロクマルサン)
N40施工車。

クハ111
(クハ111−7754 東海道本線 京都駅/撮影:ロクマルサン)
N30施工車。

▼JR四国

 1999(平成11)年にJR東日本から113系0番台を購入したJR四国は、4両編成×3本をJR西日本の体質改善40Nリニューアル工事を参考に徹底的に更新。前面形状にも大幅な手が加えられ、行先表示器を貫通扉下部に移設した上で、種別・行先表示器部分があった場所へ前照灯2灯を増設。さらに既存の前照灯と尾灯形状が角型のものに変更されている。


クハ112−1〜
(クハ112−2 予讃線 高松駅/撮影:リン)
高松方の先頭車。クハ112は新たに登場した形式である。

モハ112−1〜
(モハ112−2 予讃線 高松駅/撮影:リン)
中間電動車は形式が変更されていないが、新たに1番から付番された。

モハ113−1〜
(モハ113−2 予讃線 高松駅/撮影:リン)
同じく中間電動車は形式が変更されていないが、新たに1番から付番された。

クハ113−1〜
(クハ113−2 予讃線 高松駅/撮影:リン)
琴平方の先頭車で、トイレが設置されている。


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