2000系特急形気動車


JR四国の看板ディーゼル特急である2000系気動車。
(写真:特急南風 大歩危駅/撮影:裏辺金好)

●基本データ

デビュー年:1989(平成元)年
保有会社:JR四国
元保有会社:土佐くろしお鉄道
最高速度:120km/h、130km/h
使用列車:宇和海、あしずり
元使用列車:しおかぜ、いしづち、うずしお、南風、しまんと
運行区間:予讃線、土讃線、土佐くろしお鉄道中村線、土佐くろしお鉄道宿毛線

●高速道路に立ち向かった俊足ディーゼル特急

 民営化後、国鉄末期に誕生したキハ185系を増備していたJR四国だったが、急速に高速道路網が整備されるに連れ、スピードの面でさらなる向上を図る必要があった。しかしながら、山岳地帯と曲線の多い四国の各線では、なかなかスピードアップは難しい。そこで、381系特急形電車以降、採用されていなかった”振り子式”を導入、さらに改良を加え(世界初の制御式振り子式)、曲線区間での大幅なスピードアップを図ることにした。

 こうして、2000系気動車の試作車3両が1989(平成元)年に登場。
 非貫通型と貫通型の2種類の先頭車を持ち、ステンレス製の車体、行き先表示器にLED表示の導入など、意欲的な車両として注目を集めた。そして、翌年より量産が開始。量産車からは先頭車前面に愛称表字幕を追加し、各特急に使用される2000系の誤乗防止に役立っている。また、1995(平成7)年増備車&平成9年増備車は130km/hに出力を増強し、特に1997(平成9)年増備車はデザインも変更された。

 さらに、乗客減に悩むJR四国は家族連れをターゲットに、高知県ゆかりの作家「やなせたかし」氏の代表作「アンパンマン」のキャラクターを車体前面に描いた車両も登場させ、アンパンマン列車として人気を集めている。また、土佐くろしお鉄道にも乗り入れ、同車も2000系を保有。JR四国所属車と混ぜて使用され、瀬戸大橋を渡って岡山まで直通する。なお、2016(平成28)年3月26日改正で「しおかぜ」「いしづち」の定期運用から離脱している。

 後継車両として2700系が登場しており、今後はN2000系を中心とした一部を除き順次引退していく見込みである。2020(令和2)年には土佐くろしお鉄道所属車両が全車引退し、2021(令和3)年3月13日改正からは特急「宇和海」「あしずり」のみで運用されている。また試作車である2001、2101号は多度津工場で保存されている。

●バリエーション


2000系試作車。写真は「愛媛県には愛がある」ラッピングがされていた時の姿。
(写真:予讃線 宇和島駅/撮影:リン)

こちらも2000系試作車で、貫通型先頭車。
(撮影:リン)

2000系量産車の貫通型先頭車。
(写真:予讃線 鬼無〜端岡/撮影:リン)

予讃線宇和海アンパンマン列車。2019(令和元)年9月28日から運転しているもので、「予讃線8000系アンパンマン列車」とイメージを合わせている。なお、車内の装飾は殆ど行われていない。
(写真:予讃線 宇和島駅/撮影:リン)

最高速度130km/h運転を目的としたN2000系の量産先行車である2424及び2458。外観の形状は従来の2100形と同様のデザイン。
(写真:高徳線 木太町〜屋島/撮影:リン)

1997(平成9)年から量産が開始されたN2000系。先頭車は全車貫通型なのが特徴で、塗装の変更、さらにデザインも少し下ぶくれ(?)したものになった。
(写真:予讃線 鬼無〜端岡/撮影:リン)

●アンパンマン列車(引退)



2002(平成20)年10月にリニューアルされた予讃線アンパンマン列車。2代ばいきんまん号とカレーパンマン号。
(写真:特急宇和海 予讃線 宇和島駅/撮影:裏辺金好)

2002(平成20)年10月にリニューアルされた予讃線アンパンマン列車。こちらはドキンちゃん号など。
(写真:特急宇和海 予讃線 松山駅/撮影:裏辺金好)

2002(平成20)年10月にリニューアルされた予讃線アンパンマン列車。こちらは、しょくぱんまん号。
(写真:特急宇和海 予讃線 松山駅/撮影:リン)

2002(平成20)年10月にリニューアルされた予讃線アンパンマン列車。こちらはメロンパンナ号。
(写真:特急宇和海 予讃線 松山駅/撮影:リン)

2002(平成20)年10月にリニューアルされた予讃線アンパンマン列車。こちらはロールパンナ号。
(写真2枚目:特急いしづち 予讃線 高松駅/撮影:デューク)


2003(平成13)年12月にリニューアルされた土讃線アンパンマン号(ピンク)。30番台は土佐くろしお鉄道の所属。
(写真:特急南風 土讃線 阿波池田駅/撮影:リン)


2003(平成13)年12月にリニューアルされた土讃線アンパンマン列車(ブルー)
(写真:特急南風 瀬戸大橋線 岡山駅/撮影:裏辺金好)


2009(平成21)年10月にリニューアルされた土讃線アンパンマン列車(緑色)。土佐くろしお鉄道所属で、オレンジ色ベースの塗装に変更されたほか、トレインマークがふさがれている。
(写真1枚目:特急南風 予讃線 讃岐塩屋付近/撮影:リン)
(写真2枚目:特急南風 予讃線 讃岐塩屋駅/撮影:リン)


2009(平成21)年10月にリニューアルされた土讃線アンパンマン列車(緑色)。
(写真:特急南風 窪川駅/撮影:裏辺金好)

2010(平成22)年10月にリニューアルされた予讃線アンパンマン号。こちらはドキンちゃん号(2代目塗装)
(写真:特急しおかぜ 予讃線 宇多津駅/撮影:リン)

2010(平成22)年10月にリニューアルされた予讃線アンパンマン列車。こちらはクリームパンダ号。
(写真:特急宇和海/撮影:リン)

2010(平成22)年10月にリニューアルされた予讃線アンパンマン列車。こちらは、メロンパンナ号。
(写真:特急宇和海 予讃線 伊予平野〜西大洲/撮影:リン)

2010(平成22)年10月にリニューアルされた予讃線アンパンマン列車。こちらは、どんぶりマントリオ号。
(写真:特急宇和海 予讃線 伊予平野〜西大洲/撮影:リン)

2010(平成22)年10月にリニューアルされた予讃線アンパンマン列車。こちらは、おむすびマントリオ号。
(写真:特急宇和海 予讃線 伊予平野〜西大洲/撮影:リン)

2012(平成24)年10月にリニューアルされた予讃線アンパンマン号。こちらはドキンちゃん号。
(写真:特急しおかぜ 予讃線 伊予北条駅/撮影:リン)

2012(平成24)年10月にリニューアルされた予讃線アンパンマン号。こちらはバイキンマン号。
(写真:特急宇和海/撮影:リン)

2012(平成24)年10月にリニューアルされた予讃線アンパンマン号。こちらはカレーパンマン号。
(写真:特急いしづち 予讃線 讃岐塩屋駅/撮影:リン)

2012(平成24)年10月にリニューアルされた予讃線アンパンマン号。こちらは、しょくぱんまん号。
(写真:特急いしづち 多度津駅/撮影:ひょん君)

2012(平成24)年10月にリニューアルされた予讃線アンパンマン号。こちらは、メロンパンナ号。
(写真:特急宇和海 予讃線 松山駅/撮影:裏辺金好)

2012(平成24)年10月にリニューアルされた予讃線アンパンマン号。こちらは、クリームパンダ号。
(写真:特急しおかぜ 予讃線 松山駅/撮影:裏辺金好)

2012(平成24)年10月にリニューアルされた予讃線アンパンマン号。こちらは、あかちゃんまん号。
(写真:特急しおかぜ 予讃線 松山駅/撮影:裏辺金好)

2012(平成24)年10月にリニューアルされた予讃線アンパンマン号。こちらは、おむすびまん号。
(写真:特急しおかぜ 予讃線 松山駅/撮影:裏辺金好)

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