E3系新幹線

東北新幹線区間ではE2系やE5系と併結運転する、秋田新幹線「こまち」用E3系0番台。
(写真:はやて・こまち 東北新幹線 小山駅/撮影:裏辺金好)
●基本データ
デビュー年:1995(平成7)年(試作車)保有会社:JR東日本
最高速度:275km/h
元使用列車:こまち、はやて、つばさ、やまびこ、なすの
運行区間:東北新幹線、山形新幹線
●在来線へ直通する新幹線、第2弾!!
1997(平成9)年に開業した在来線直通のミニ新幹線である秋田新幹線「こまち」に使用される車両として開発されたもので、試作車が1995(平成7)年に誕生した後、量産車が投入。当初は、5両編成で誕生したが、好評のため1998(平成10)年に6両編成に増強された。先に登場した山形新幹線用の400系をベースとしつつ、東北新幹線区間での最高速度275km/hになっているなど、相違点が多い。また、同時に開発されたE2系と設計を同じくする部分も多く、東北新幹線内ではE2系と併結運転を行う。(※E5系運用開始後は、E5系とも併結) さらに、1999(平成11)年に山形新幹線が山形から新庄に延長すると、E3系1000番台が山形新幹線用に増備。こちらは山形新幹線用400系に合わせるため、編成が7両編成であるほか、当初は性能の一部を400系に合わせて東北新幹線区間で240km/hとなっていた。
そして2008(平成12)年12月からは、山形新幹線400系置き換え用としてE3系2000番台が登場。当初から東北新幹線区間での最高速度を275km/hへ引き上げるたほか、ライト形状の変更、フルカラーLEDの側面&車内案内表示器を設置、一部座席への電源コンセント設置などが行われている。なおE3系は、必ずしも「こまち」「つばさ」のみとして走るわけではなく、東北新幹線のみを「やまびこ」「なすの」としてE2系やE5系に増結されて運用されることもある。
ちなみに秋田新幹線用のE3系のうち、初期に投入された車両のみ第三セクターの「秋田新幹線車両保有株式会社」が保有し、JR東日本が借り受ける形をとっていたが、リース期間満了により現在はすべてJR東日本の所有となっている。また、秋田新幹線用のE3系については、2013(平成25)年3月16日改正から後継車両のE6系が「こまち」に投入されたことに伴い、2014(平成26)年3月15日改正で「こまち」運用から撤退した。これに伴い、「こまち」ロゴマークは消している。
一方、山形新幹線用のE3系は2014(平成26)年4月以降、順次塗装変更を実施。E6系などのデザインを手がける奥山清行氏の手によるもので、先頭部などに紫色を配色(山形の県鳥「おしどり」をモチーフ)するなど、独特のカラーリングとなっている。
また、同年夏には秋田新幹線用0番台のうち、R18編成が山形新幹線向け観光列車「とれいゆ」に改造されている。奥山清行氏のデザインを担当しお座敷空間のほか、足湯も堪能できるなど、従来にない車両となっている。塗装は既存の山形新幹線でおなじみの緑色をベースに、山形の中央にそびえる主峰「月山」をモチーフに、おおらかな円弧で表現しているほか、最上川の趣のあるブルーを先頭に配している。
2016(平成28)年4月29日からは、秋田新幹線用0番台のうちR19編成が上越新幹線用の観光列車「GENBI SHINKANSEN(現美新幹線)」に改造。車内では美術作品の展示やカフェ等を備えるほか、エクステリアデザインは写真家の蜷川実花氏が監修し、外観は「長岡の花火」を描き出す大胆なデザインとなっており、まさに世界最速の美術館であった。
「GENBI SHINKANSEN」は2020(令和2)年12月、「とれいゆ」は2022(令和4)年3月に運行を終了。さらに、山形新幹線用のE3系についても2025(令和7)年度で運転を終了する見込みである。
●E3系バリエーション一覧

ライト形状が異なるE3系0番台のR1編成。最初に登場した試作車的な編成。
(写真:はやて・こまち 東北新幹線 福島駅/撮影:ネオン)

秋田新幹線用E3系のロゴマーク。
(写真:やまびこ 郡山駅/撮影:裏辺金好)

山形新幹線新庄開業に併せて登場したE3系1000番台。ちょっと色を塗り替えただけでイメージは意外に違う。
(写真:つばさ 山形駅/撮影:裏辺金好)

2008年12月から投入されている、山形新幹線用のE3系2000番台。
(写真:つばさ 東北新幹線 小山駅/撮影:裏辺金好)

山形新幹線用E3系のロゴマーク&「がんばろう日本!がんばろう東北!」ステッカー。
(写真:つばさ 山形駅/撮影:裏辺金好)

やまがた花回廊2011キャンペーンに合わせたもので、2011年5月14日から2編成に貼られたラッピング。
(写真:つばさ 東京駅/撮影:裏辺金好)

2012年の「やまがた花回廊キャンペーン」に合わせ、同年3月から運転されている「花回廊エクスプレス」ラッピング。
山形県内で咲く花を各車両にラッピングしている。
(写真:つばさ 小山駅/撮影:裏辺金好)


2014(平成26)年に登場した「つばさ」用E3系新塗装。
(写真1枚目:つばさ 赤湯駅/撮影:裏辺金好)
(写真2枚目:つばさ 新白河駅/撮影:daikiti)

山形新幹線用E3系新塗装には様々なロゴマークが掲出されている。こちらは、「桜」・「ふきのとう」(東京寄り 海側に掲出)
(撮影:裏辺金好)

山形新幹線用E3系新塗装には様々なロゴマークが掲出されている。こちらは、「蔵王の樹氷」(山形寄り 山側に掲出)
(撮影:裏辺金好)

定期運用離脱前に「つばさ」用E3系新塗装には「つばさ、つなぐ」ロゴマークが掲出された。
(写真1枚目:つばさ 東京駅/撮影:裏辺金好)


2014(平成26)年に登場した新幹線初のジョイフルトレイン「とれいゆ」。山形新幹線内のみ走行する。
(写真:とれいゆ つばさ 福島駅/撮影:リン)
2016(平成28)年に登場したE3系「GENBI SHINKANSEN(現美新幹線)」。上越新幹線の越後湯沢〜新潟間を走行する。
(写真:とき 長岡駅/撮影:裏辺金好)
●車内の様子(秋田新幹線用R編成)

普通車の車内で、12〜14号車座席。(撮影:G列車)

こちらも普通席の車内で、15〜16号車の車内。(撮影:G列車)
●車内の様子(山形新幹線用L編成)


E3系2000番台の普通車車内。(撮影:裏辺金好)


E3系2000番台のグリーン車(撮影:裏辺金好)
●車内の様子(山形新幹線用「とれいゆ」)


バーカウンターと畳の座敷や本桜のテーブルを備えた湯上がりラウンジ(モノや人との出会いの間)を設けた15号車。(撮影:裏辺金好)

12号車〜14号車はお座敷指定席(語らいの間)。大きなカバ材のテーブルと、ゆったりの畳座席に 「天童将棋駒」等をデザインした座布団を設置している。(撮影:裏辺金好)
