E127系一般形電車


701系の新潟版となったE127系だが、新潟地区に投入された0番台の前面デザインは異なっている。
(写真:白新線 豊栄駅/撮影:裏辺金好)

●基本データ・運用区間

デビュー年:1995(平成7)年
運行区間:信越本線、妙高はねうまライン、篠ノ井線
元運行区間:白新線、羽越本線、弥彦線、上越線、越後線

●新潟と長野、さらに首都圏へ活躍の場を移す

 E127系は、新潟地区や長野地区で普通列車として運用されていた急行形電車の165系・169系を置き換えるために登場したもので、制御装置としてVVVFインバータ制御(逆導通GTOサイリスタ素子)を搭載し、車体はステンレス製で片側3扉の車両である。また、ワンマン運転にも対応している。

 まずは、1995(平成7)年に0番台(2両編成×13本=26両)が新潟地区で営業運転を開始した。帯色は115系2次新潟色に準じたグラスグリーンと青磁グリーンの濃淡2色で、車内は洋式トイレを備えたオールロングシート。2014(平成26)年に列車火災事故の被災から復旧しなかったV3編成が廃車となっている。

 続いて1998(平成10)年には、大糸線向けに100番台(2両編成×12本=24両)が登場。デザインは東北地区の701系に準じ、帯色は115系信州色をベースにしたアルパインブルーとリフレッシュグリーンの2色。車内は、東側がロングシート、西側(北アルプスなどの方向)がクロスシートのセミクロスシート構造となっている。

 2013(平成25)年3月16日改正から運用を大幅に拡大し、信越本線(長野〜篠ノ井)、篠ノ井線、中央本線(塩尻駅〜小淵沢、塩尻〜辰野〜岡谷)での運転が開始された。

 2015(平成27)年3月14日改正からは、新潟地区のE127系0番台12編成中10編成が、信越本線(直江津〜妙高高原)を経営移管した、えちごトキめき鉄道(妙高はねうまライン)に譲渡され、ET127系に形式を変更した上で、「妙高山」を「芽吹くグリーン」で表現したデザインに変更。同社線のほか、長岡駅まで乗り入れる運用も存在している。

 JRに残る0番台2編成(V12・V13編成)は弥彦線を中心に、越後線(吉田〜新潟)でも運転。制御装置をVVVFインバータ装置をIGBT素子へ更新している。

 2022(令和4)年3月12日改正で定期運用から離脱したが、E129系が落雷で14両も故障したことにより、同年6月29日からは上越線で代走を開始した。さらに同年12月1日からは、越後線に活躍の場を移し、新潟駅にも再び姿を見せるようになっていたが、ほどなく使用を終了し、なんと活躍の場を神奈川県へ移すことになり、鎌倉車両センター中原支所へ転属。

 2023(令和5)年9月13日から帯色を変更の上で、南武支線(尻手〜浜川崎)で運転を開始している。

●E127系バリエーション一覧


E127系100番台の外観は701系と同じデザインとなった。帯の色は長野支社の115系に合わせたもの。
(写真:大糸線 松本駅/撮影:裏辺金好)

鎌倉車両センター中原支所に転属し、南武支線で活躍するE127系0番台。
(写真:南武線 尻手駅/撮影:裏辺金好)

新潟地区のE127系0番台の東京ディズニーリゾート30周年ラッピング車。
(写真:信越本線 新潟駅/撮影:裏辺金好)

新潟地区のE127系0番台の越後線社会実験増便実施中ラッピング車。沿線の「ゆるキャラ」なども貼られている。
(写真:越後線 新潟駅/撮影:裏辺金好)

えちごトキめき鉄道オリジナル塗装。
(写真:妙高はねうまライン 北新井〜妙高高原/撮影:裏辺金好)

2021(令和3)年8月21日から、えちごトキめき鉄道のV1編成が、1978(昭和53)年まで新潟地区の電車に採用されていた赤と黄色のツートーンカラーにラッピングされて運転。これは防水資材や床材などを取り扱う田島ルーフィング(東京都千代田区)の広告電車として企画されたもので、同社製品の「デジタルフィルム オリフィ」を使用。デザインは鉄道雑誌「Rail Magazine」が担当している。
(写真:妙高はねうまライン 春日山〜高田/撮影:リン)

●車内の様子


えちごトキめき鉄道で活躍するET127系(旧・E127系0番台)の車内。モケットの色はJR時代からライトグリーン色を採用し、トイレは洋式。
(撮影:裏辺金好)


南武支線で活躍するE127系0番台は、室内灯をLED化したほか、トイレを閉鎖している。
(撮影:裏辺金好)

長野県内で活躍するE127系100番台は、ロングシートとボックスシートの組み合わせ。
(撮影:裏辺金好)

●形式ガイド

▼0番台

 新潟地区で運用されていた165系の置き換え用として登場した、E127系の基本番台。2両編成が基本単位で、車内はオールロングシートである。


クモハE127−1〜
(クモハE127−1 信越本線 新津駅/撮影:裏辺金好)
パンタグラフを搭載した制御電動車。

クハE126−101〜
(クモハE127−1 信越本線 新津駅/撮影:裏辺金好)
制御車でトイレを設置している。

▼100番台

 大糸線向けの車両として登場し、2013(平成25)年3月改正からは長野地区の広いエリアに運用範囲を拡大。パンタグラフがシングルアーム化され、砂まき装置が取り付けられた。また、車体は前面や側面窓の窓割が701系に近いものになった。車内の座席は東側がロングシート、西側がクロスシートの配置になっている。


クモハE127−101〜
(クモハE127−101 大糸線 松本駅/撮影:ロクマルサン)
松本方先頭車で制御電動車。

クハE126−101〜
(クハE126−101 大糸線 松本駅/撮影:ロクマルサン)
南小谷方先頭車。

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