521系一般形電車


ラインカラーは、従来の北陸本線近郊形電車の塗装を踏襲した521系0番台。
(写真:北陸本線 倶利伽羅〜石動/撮影:裏辺金好)

●基本データ

デビュー年:2006(平成18)年
最高速度:120km/h
所属会社:JR西日本、あいの風とやま鉄道、IRいしかわ鉄道、ハピラインふくい
運行区間:北陸本線、湖西線、七尾線、あいの風とやま鉄道線、IRいしかわ鉄道線、ハピラインふくい線、えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン
元運行区間:小浜線

●北陸路の主力車両へ躍り出た新鋭車両

 北陸本線長浜駅〜敦賀駅間、湖西線永原駅〜近江塩津駅が直流化されるのに伴って投入された車両。JR西日本としては初めて新造する交直流近郊型電車で、関西などで運用している223系近郊型直流電車をベースに、構体設計は321系、車両制御装置は683系特急型交直流電車をベースとした。

 2両編成を基本とし、最高速度は120km/h。2009(平成21)年3月改正からは小浜線、さらに2010(平成22)年3月改正からは2次車の投入によって北陸本線の金沢地区にも運用を広げたのを皮切りに、運用範囲を着実に広げている。一方、同改正で小浜線での定期運用が終了し、1年間のみの実績となった。

 また、2013(平成25)年11月から製造されている3次車は、前面デザイン等が225系に準じた姿に変更されたほか、先頭車両に転落防止幌の台座を装着(のちに1・2次車にも装着)。また、前照灯・フォグランプをHID式に変更したほか、「列車異常挙動検知システム」などを装備している。

 2015(平成27)年3月14日の北陸新幹線金沢開業に際して、北陸本線の一部が第三セクター鉄道へ経営分離されたことから、「あいの風とやま鉄道」と「IRいしかわ鉄道」に多数の車両が譲渡され、主力車両として大半の運行を担っている。

 2017(平成29)年から、あいの風とやま鉄道で521系1000番台の投入を開始。413系を置き換えるために自社発注したもので、3次車をベースに種別・行先表示をフルカラーLEDとしている。

 2020(令和2)年10月3日からは、七尾線で521系100番台の運転を開始。側面帯は輪島塗の漆をイメージした茜色となったほか、227系や323系で搭載された仕様が反映。種別・行先表示のフルカラーLED化、側面の行先表示器と種別表示器の一体化、車内案内表示器の増設(6ヶ所)、車椅子スペース部の通路幅拡大、各出入口付近への車載型ICOCA改札機設置などが行われている。

 2024(令和6)年3月16日改正では、北陸新幹線敦賀開業に伴い、北陸本線の金沢〜大聖寺間がIRいしかわ鉄道へ、大聖寺〜敦賀間がハピラインふくいへ移管され、521系0番台の大半が両社へ移籍した。

●カラーバリエーション


225系に準じたデザインに変更された521系0番台3次車。
(写真:北陸本線 金沢駅/撮影:リン)

2021(令和3)年に2編成が登場した521系4次車(3次車のマイナーチェンジ車)。フルカラーLEDの種別・行先表示になっているのが特徴で、のちにIRいしかわ鉄道とハピラインふくいに1編成ずつ譲渡されている。
(写真:ハピラインふくい線 武生〜王子保/撮影:リン)

七尾線用の521系100番台。
(写真:七尾線 金丸駅/撮影:リン)

521系100番台のうち、IRいしかわ鉄道に在籍するIR06編成〜IR08編成は、JR西日本所属車の連番で塗装などの仕様も同じ。IR仕様の側面のロゴと前面スカートに編成番号の貼り付けが無いのが違い。
(写真:七尾線 能瀬駅/撮影:リン)


あいの風とやま鉄道オリジナル塗装の521系。海側と山側で配色を変えている。
(写真1枚目:IRいしかわ鉄道線 金沢駅/撮影:裏辺金好)
(写真2枚目:あいの風とやま鉄道線 石動駅/撮影:リン)

あいの風とやま鉄道の521系1000番台。
(写真2枚目:あいの風とやま鉄道線 小杉〜呉羽/撮影:リン)

IRいしかわ鉄道オリジナル塗装の521系。0番台のアクセントカラーは5種類あり、IR01編成(もとサワG05編成)は「緑・草系」。
(写真:IRいしかわ鉄道線 金沢駅/撮影:裏辺金好)

IRいしかわ鉄道オリジナル塗装の521系。IR02編成(もとサワG09編成)は「古代紫/紫系」。
(写真:IRいしかわ鉄道線 金沢駅/撮影:裏辺金好)

IRいしかわ鉄道オリジナル塗装の521系。IR03編成(もとサワG25編成)は「藍系」。
(写真:IRいしかわ鉄道線 高岡駅/撮影:裏辺金好)

IRいしかわ鉄道オリジナル塗装の521系。IR04編成は前面デザインが変更さた3次車で、「黄・黄土(金)系」。
(写真:あいの風とやま鉄道線 倶利伽羅〜石動/撮影:リン)

IR05編成は前面デザインが変更さた3次車で、「赤・臙脂(えんじ)系」。
(写真:あいの風とやま鉄道線 富山駅/撮影:裏辺金好)

ハピラインふくい独自塗装となった、521系3次車のHF11編成(クモハ521-47+クハ520-47)。ピンク色と緑色の帯が特徴。
(写真:ハピラインふくい線 武生〜王子保/撮影:リン)

●車内の様子・細部など


0番台の車内は基本的に223系と同じデザインの転換クロスシート(補助席あり)だが、ワンマン運転対応の為に、先頭車両の最後部の扉に整理券発行機、運転台の背後に料金表(運転席内に運賃箱)が設置している点が大きな違い。また、その関係で、乗務員室と客室の仕切扉が引き戸式になっているのも大きな特徴。(解説・撮影:うめ吉)

0番台の優先席。(解説・撮影:うめ吉)

クハ520形の側面(シングルアーム型パンタ搭載。(撮影:うめ吉)

IRいしかわ鉄道ロゴマークと併結部分の姿。
(写真:あいの風とやま鉄道線 富山駅/撮影:裏辺金好)

七尾線用の521系100番台。JR所属車両とIRいしかわ鉄道所属車両が併結されることもある。
(写真:七尾線 能瀬駅/撮影:リン)

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