一畑電鉄デハ1形


保存されているデハ6とデハ3。まるで現役さながらで、しかも脇には現役の車輌が通過していく。
(写真:出雲市内 さとがた保育園 ※敷地外より撮影/撮影:裏辺金好)

●基本データ・運用区間

デビュー年:1927(昭和2)年
元運行区間:北松江線、大社線

●最後の2両は後輩たちの活躍を間近で見守る

 1927(昭和2)年10月の出雲今市(現、電鉄出雲市)〜一畑の電化に際して投入された電車。5両が日本車輌で製造され、1948(昭和23)年にはクハ14を電装化したデハ7が加わり6両となった。なお、デハ4は忌み番号とされ、製造から間も無い1929(昭和4)年にデハ6と改番されている。なぜ、最初に欠番にしなかったのか・・・?

 戦後になってデハ1、デハ2、デハ5はデハ20形(22〜24)へ、デハ7はクハ111(2代目)へ改造され、1962(昭和37)年からはデハ3、デハ6の2両体制へ。1978(昭和53)年の大社線ワンマン化にあたり、自動扉化や運賃収受器の設置などが行われ、大社線専用車両として活躍。そして5000系の登場によって、1998(平成10)年に引退したが、幸いにも出雲市にある「さとがた保育園」で2両とも保存が実現。

 上写真は2008(平成20)年11月に撮影したものだが、ご覧のように現在でも非常に美しい状態が保たれている上に、隣を現役の一畑電車の線路が走るという、素晴らしい位置にある。この保存に尽力されている方々に、心より敬意を表したい。

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