京阪電鉄5000系


車体側面の多くの扉が特徴の5000系
(写真:京阪本線 関目駅/撮影:裏辺金好)

●基本データ

デビュー年:1970(昭和45)年
元・運行区間:京阪本線、中之島線、鴨東線、交野線、宇治線

●首都圏などで見られる多扉車の先駆けとなった車両

 5000系登場時、沿線は高度経済成長の波で一気に人口が増加していたのに対し、京阪線は架線電圧が当時600Vであり編成が7両に制限されていた。そのため朝夕のラッシュ時は停車時間が増加傾向にあったため、その打開策として5000系が登場した。 川崎重工業で7両編成×7本と、のちに事故廃車の代替新造1両が登場し、合計50両が製造されている。

 5000系は首都圏などでよく見られる多扉車の先駆けでもあるが、昼間などの閑散時には通常車両と同様の着席サービスを提供するために、ラッシュ時には2・4枚目のドア上部に座席を格納し5扉車として運行し、閑散時には格納していた座席を降ろして着席可能とし、3扉車として運行する技術が話題を呼んだ。そのため、閑散時の車内には座席の後ろに扉が存在するという、通常では考えられない風景が見られる。

 また乗車人員増加による、総重量の増加を防ぐために京阪で初めてアルミ車体を採用した事も特筆される。

 2021(令和3)年1月29日を以って5扉使用の営業運行を終了。13000系の増備によって、同年9月4日に最後まで残っていた5551FFが営業運転を終了し、50年以上にわたった活躍に終止符が打たれた。なお、2023(令和5)年4月から、第1編成の5551号車の車体半分が登場時の姿に復元された上で、くずはモール内にある「SANZEN-HIROBA」で展示されている。

●旧塗装


(写真:京阪本線 野江駅/撮影:裏辺金好)

●車内


5000系の車内。座席の後ろにドアがあるのがお分かりになるだろうか。
(撮影:裏辺金好)

一部の編成は13000系に準じた座席モケットに交換されている。
(撮影:鐵)


ラッシュ用ドア室内側の座席。
(撮影:鐵)

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