岡山電気軌道


〇解説

 岡山駅から岡山城付近を経由し、東山公園を結ぶ東山線、岡山駅から柳川で東山線と分岐し清輝橋にいたる清輝橋線の2路線を持つ路面電車。2つ合わせて約4.7kmと日本の路面電車の中で最も短い路線である。
 その歴史は古く、1912(明治45)年5月5日に現在の社名と同じ岡山電気軌道として開業。今の東山線の一部である駅前〜城下で運転を開始し、路線を延伸。1968(昭和43)年に番町線(上之町〜番町)0.9kmが廃止された以外は、一部の線路移設を除き、基本的にはそのまま残る。
 近年は、環状線化などの路線の延伸が議論されているが財政的な問題もあり全く先に進まず、一方車両面では超低床車両9200形の導入、元東武鉄道日光線の車両である3000形を「KURO」へ大胆イメージチェンジしたことなどで話題を集めている。

■保有車両


●3000形
 1953(昭和28)年登場。東武鉄道日光線で使用されていた100形を、同線が廃止された1968年と翌年にかけて10両を授受。3000形として運用を開始した。
 その後、次々と廃車となって現在は3005/07/10の3両が残る。このうち3010号は2004年5月、岡山市出身の竹久夢二の絵を飾った「動く夢二MUSIUM号」として茶色い車体になったあと、ピアノ電車(写真上)、さらに青系統のチェック柄に変更されている。
 さらに2004年11月には、JR九州の車両デザインなどでお馴染み水戸岡鋭治氏の手によって3007号が「KURO」として登場。
 残る3005号は、日光線時代の塗装に復元。当面は大事に使われる模様である。ただし、冷房がないので夏場は基本的に運行されない。
(写真上:東山線 東山/撮影:リン)
(写真下:東山車庫/撮影:裏辺金好 *許可を得て撮影
●3000形 「KURO」
 KUROは岡山城をイメージした黒い車体に金帯が特徴で、さらに内部は木目調へと徹底改装されている。
(写真上:東山線 東山/撮影:裏辺金好)
(写真下:KURO車内 撮影:リン
●7000形・7100形・7200形・7300形
 7000形は1980(昭和55)年登場。
 元・呉市電800形(岡電では2000形)の台車と機器を再利用して車体を新造。2両が誕生し、斬新なスタイルと当時としては珍しかった冷暖房完備が沿線の注目を集めた。
 これを受けて翌年、7100形が2両登場。こちらは7000形とほぼ同一のスタイルで、元・秋田市電200形(岡電では1000形)の台車と機器を再利用して車体を新造した車両。
 さらにその翌年に7200形、またその翌年に7300形が2両ずつ登場。7200形は元・大分交通別大線500形(岡電では3500形)、7300形は元・呉市電700形(岡電では2500形)の台車と機器を再利用し、扉の窓が拡大された他は、ほぼ同じタイプの車体が新造されている。
 写真は7100形。
(写真:清輝橋線 郵便局前/撮影:裏辺金好)

●7400形・7500形
 1984(昭和59)年、1985(昭和60)年にそれぞれ1両ずつが登場。従来車とほぼ同じデザインだが、こちらは全て新造された車両。
(写真:東山線 東山/撮影:裏辺金好)
●7600形
 1986(昭和61)年に1両が登場。
 これも完全新造車だが、デザインを従来と変え、ライト付近の形状変更、側面窓の大型化などが実施されている。
(写真:東山線 城下/撮影:裏辺金好)

●7900形
 1989(平成元)年登場。
 基本的には7600形と同じ。製造年代ごとに7901,8101,8201、8301,8501が存在。
(写真:東山線 城下/撮影:裏辺金好)
●9200形
 2002(平成14)年登場。
 岡山電気軌道が誇る最新型の超低床車両で、2編成4両が存在。ボンバルディア社製のLRVを基本として、新潟鐵工所(現、新潟トランシス)が製造したもので、万葉線MLRV1000形、富山ライトレールTLR0600形も、この車両をベースにしている。
 JR九州の特急等のデザインを手がけた水戸岡鋭治氏が「MOMO」として車外、車内をデザインし、大きなインパクトを人々に与えた。
 長らく1編成(9201号)しか存在せず、東山線と清輝橋線を交互に運転していたが、2011(平成23)年10月に2編成目(1011号/MOMO2)が登場。ほぼ毎日、両線共に運転されるようになった(1週間のうち1日は休み)。
(写真:東山線 東山/撮影:リン)

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