東武鉄道C11形蒸気機関車


北海道から北関東へ活躍の場を移したC11 207号機。2基の前照灯が特徴。
(写真:日光線・鬼怒川線 下今市駅/撮影:裏辺金好)

●基本データ

デビュー年:1941(昭和26)年
東武鉄道デビュー年:2017(平成29)年
運行区間:日光線、鬼怒川線

●3機体制となり毎日運転のSLが実現

 C11形は鉄道省(国鉄)が支線区向けに1932(昭和7)年から1947(昭和22)年にかけて381両が投入された蒸気機関車。東武鉄道では、2017(平成29)年8月10日からの「SL大樹」運転開始にあたり、3両を順次導入している。

 最初に東武鉄道が導入したC11 207号機は、1941(昭和26)年に日立製作所笠戸工場で製造され、主に北海道で活躍。1974(昭和49)年に引退し静態保存されていたが、2000(平成12)年にJR北海道で復元され、「SLニセコ号」「SL冬の湿原号」などで運用された。2014(平成26)年に運転を終了し、東武鉄道へ貸し出し。

 2017(平成29)年8月10日から東武鉄道の「SL大樹」として運転されている。なお、北海道時代から濃霧対策として前照灯を2機つけているのが特徴。

 C11 325号機は1946(昭和41)年に日本車輛製造で製造され、相模線や南武線、米坂線などで活躍。1973(昭和48)年から静態保存されていたが、1998(平成10)年から真岡鐵道線で動態保存運転を開始。JR東日本の各線でも出張運転していた。 2019(令和元)年12月1日に真岡鐵道線での運転を終え、東武鉄道が購入。2020(令和2)年12月から営業運転を開始した。

 C11 123号機は江若鉄道のC11 1号機として製造されたもので、1957(昭和32)年からは北海道渡り雄別炭礦鉄道、1970(昭和45)年がらは釧路開発埠頭で活曜し、1975(昭和50)年に引退。江別市の個人が静態保存していたものである。東武鉄道では日本鉄道保存協会から講入し、大手私鉄ては初めてSLの復元に着手。

 これに伴い、C11 123に改番したが、これは2020(令和2)年11月1日こ東武鉄道が創立123周年を迎えることや、SLが3機体制となること、1一2一3(ホップ、ステップ、シャンプ)と将来に向かって更なる飛匿を車両番号で表現することなどから命名されたものである。2022(令和4)年7月18日から運用を開始し、私鉄が発注した蒸気機関車ては唯一動態保存されることになった。

●C11 325号機


真岡鐵道から活躍の場を移したC11 325号機。
(写真:鬼怒川線 下今市駅/撮影:与太郎)

●C11 123号機



元は江若鉄道のC11 1号機だったC11 123号機。
(写真:鬼怒川線 鬼怒川温泉駅/撮影:リン)

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