特急 かもしか

東北に残る貴重な485系特急だった「かもしか」。
(写真:奥羽本線 新青森駅/撮影:裏辺金好)
●列車の解説
 1997(平成9)年、秋田新幹線開業に伴い、それまで秋田〜青森に区間短縮の上、運転されていた特急「たざわ」を改称したもの。「たざわ」は田沢湖からとった名前であるので、秋田新幹線建設開始後、全く関係のない名前になってしまっていたからである。登場時は国鉄色だったが、のちに秋田新幹線E3系にイメージを合わせた塗装へ変更されている。

 2001(平成13)年に「いなほ」のスジを引き継ぐ形で3往復化し(「いなほ」は旧「白鳥」のスジにコンバートされ、旧「白鳥」は廃止)。その後は大きな動きは無かったが、2010(平成22)年12月改正で東北新幹線が新青森まで開業したことに伴い、青森地区の特急網が再編。「かもしか」は秋田以北の「いなほ」と共に「つがる」と改称され、愛称が消滅した。

 ちなみに、トレインマークに描かれたシカのイラストについて、2007(平成19)年12月12日付けの毎日新聞によると、
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「エゾシカに似ている」と札幌の鉄道ファンの男性(51)が気付き、写真に撮った。指摘を受けた同社は「イメージが既に定着している」(秋田支社)として絵柄は変更しない。(中略)。「ヘッドマークのシカは立派な角の先が枝分かれしている。15センチほどの短い角を持つカモシカとは明らかに違う」と撮影者。国の特別天然記念物のカモシカは分類上はシカよりもウシに近い。秋田支社は「特急の速さをイメージしたイラストで、カモシカそのものを描いたものではない。指摘は今後の参考にする」。
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 とのこと。比較的地味な特急であるが、今更こんなところでちょっとした注目を浴びることになっている。なお、エゾジカの写真は、北海道デジタル図鑑〜100の物語[自然]エゾシカ を参考のこと。そこまで「おかしい」というほどのことではないような・・・。
 なお、「かもしか」の愛称は1986(昭和61)年から僅か2年間であるが、飯田線の急行に使用されたこともある。