○イギリスでバローヒル鉄道祭が開催される
 2012(平成24)年4月13日、イギリスで唯一転車台が保存されているバローヒル機関区という、英保存鉄道界の聖地と呼ばれるに相応しい場所で年に数回「鉄道ガーラ(いわゆる鉄道祭)」が行われました。今回のテーマは「The Fab Four(由来はビートルズのアルバム名)」。有名な歌手4人ではなく、クラスA1、A2、A3、A4と東海岸本線の特急列車を牽引した名機関車を集結・・・させるはずでしたが、現在補修工事を受けているクラスA3の4472号機フライング・スコッツマンが出られなくなったため、代理としてクラスA4をもう一機とクラスV2を呼び寄せる形となりました。


 これら4機は機関区の留置線に綺麗に並べられ、隣の線路では機関区と本線への連絡線上をピストン運行するミニ列車が走った。機関区の建物自体や他の留置線も解放され、内部・外部共に自由に見学できました。なお、バローヒルは土日に開放され、入館料は好きな額を寄付すればOKとなっています。最寄駅はチェスターフィールドで、ロンドンから2時間弱。駅からはバスが30分毎に運行。
公式ウェブサイト:http://www.barrowhill.org/

(撮影&解説:秩父路号)

今回の目玉の機関車達。残念ながらフライング・スコッツマンが欠席したが、栄光あるものたちが揃った。

左:4464号機ビターン(Bittern)号。右:同じく4468号機マラード(Mallard)号。両機とも流線形のカバーが特徴的なクラスA4で、1930年代のガーターブルーの塗装をまとっている。マラード号は蒸気機関車の世界最高速度記録を保持していて、1938年7月3日に203km/hを記録した。現在は静態保存されているが、ビターン号は現在もチャーター便などで活躍している。

左:クラスA3、60532号機ブルー・ピーター(Blue Peter)号。戦後の1948年に製造された車種である。右:クラスV2、60800号機グリーン・アロー(Green Arrow)号。東海岸をホームグラウンドとした特急列車牽引用の機関車。

横から四機の並び。

隣の線路ではミニ列車が運行していたため、5機揃う事も頻繁にあった。

午前中のミニ列車牽引はクラスK4、61994号機のグレート・マーケス(Great Marquess)号と・・・

クラスJ94、68030号機が担当していた。

午後にはグレート・マーケスがクラスA1、60163号機トルネード号に担当機関車が代わった。トルネード号は2008年に新造(そう、復元などではなく新造)された機関車で、本線上を走る資格も持っており、チャーター便などを頻繁に牽引している。

クラスD11、506号機バトラー・ヘンダーソン(Butler-Henderson)号。普段は機関区内で静態保存されているが、今回は表に登場。

クラスY7、1310号機。留置線や機関区での入替用機関車として作られたもの。イベントの一環として機関区内の一区間を荷物車に人を乗せて往復していた。

蒸気機関車だけでなく、膨大な数のディーゼルや電気機関車も保存されている。

野外にも様々な種類の機関車が展示(放置)されている。こちらはクラス40ディーゼル機関車

クラス08−英国鉄が開発した入替用ディーゼル機関車。

クラス89。インターシティ225開発時に製造された唯一のクラス89で、現在使用されているクラス91の前世ともいえる。

クラス84電気機関車の初号機。1960年に西海岸本線の電化の際に登場し、ロンドン〜スコットランド間の特急列車を牽引した。

機関区の車庫の中には転車台が、あり、そこから扇状に線路が伸びている。

旧ミッドランド鉄道の1377クラス、41708号機。1880年頃に製造された古株。

外には蒸気式のロードローラーも展示されていた。