山口県長門市〜金子みすゞと仙崎地区〜
  Senzaki Area in Nagato City , Yamaguchi Prefecture

▼MAP

▼アクセス
JR山陰本線 仙崎駅

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長門市役所 観光情報
金子みすゞ記念館
 仙崎は山口県の北部長門市の一地域で、詩人金子みすゞの故郷として、また西日本日本海でも屈指の漁港として有名な場所です。アクセス方法は道路の他、山陰本線(下関発)と美祢線(厚狭駅発)を用いて列車でいく方法があります。
 今回は新下関駅から仙崎駅まで1日1往復運行されている観光列車「みすゞ潮彩号」に乗って行ってきました。平日は各駅停車、休日は快速列車として運転されています(なお、夕方には運転区間を短縮して下関〜滝部でも1往復運転されています)。

 ※金子みすゞについて
 今でこそ「金子みすゞ」という名は有名なものですが、彼女の名が人に知られるようになったのは、意外なことに戦後も戦後、1980年代になってのことです。そもそもみすヾの活動した期間というのは驚くほど短く、文壇デビューからわずか2年少々しかありません。

 文壇デビュー直後はその才能を絶賛する声が相次いだのですが、彼女の夫が創作活動を禁じてしまい、彼女の作品が人目に入ることがなくなってしまいました。更に、離婚調停において親権を主張する夫と折り合いが付かず、26歳で服毒自殺したという「あまりの短命さ」により、その存在は長らく忘れ去られることになります。


 それから半世紀も経った1982年、児童文学者の矢崎節夫の尽力により詩集が出版され、「金子みすゞ」の名は一躍日本中に広まります。この詩集はみすヾの弟が保管していた遺稿のもので、童謡集の中に一編だけ掲載されていたみすヾの詩に感銘を受けた矢崎がその所在を発見し、世に知られることになったのです。

 彼女の詩はこうして再び脚光を浴び、今では国語の教科書にも掲載されるほどにまでなっています。
(撮影&解説:八十八舞太郎)


仙崎とその周辺

みすゞ潮彩号
 JR西日本のジョイフルトレインで、キハ40系を改造。
 側面には唐草模様が連なっています。
 一両目が指定席、二両目が普通席になっていて、快速故に停車駅が無いということを忘れなければ、二両目には誰でも乗ることができます。
 さすがに観光列車らしく、運行中に名所に差し掛かった時に列車を一時停止させ、景色を楽しんでもらうという粋な演出もあります。
 指定席ではみすゞの生きていた時代をモチーフにしたのか、内装の一部に切ガラスのようなものが用いられていたり、女給(メイド)さんが車内販売をしていたりします。
 時間が無くこのアングルからでしか撮影できなかったのが残念。

金子みすゞ記念館
 仙崎駅を降りて徒歩数分で到着する、金子みすゞ記念館。みすヾの生家跡に、彼女が過ごした「金子文英堂」の建物を再現したもので、この奥に記念館が存在します。

金子みすゞ記念館
 看板の様子。

郵便ポスト
 「みすヾ通り」(後述)は当時の雰囲気を残すため、昔なつかしの円柱型ポスト(飾りでなく現役)が設置してあったり、白壁の住宅があったりと懐かしい雰囲気を楽しめます。
(所長注:しかし、日本郵政の文字は、ちょっと雰囲気が…)

遍照寺
 みすヾの墓所、遍照寺。この遍照寺やみすヾ記念館がある、駅から海岸まで真っ直ぐ通じる道を「みすヾ通り」と呼び、道端にはみすヾの詩を刻んだプレートなどがあります。


 みすヾの詩にも書かれた仙崎の海。

青海島
 ここで視線を右に向けると、捕鯨基地のあった青海島が目に入ります。クジラとの関わりについて知りたい人はこちらも是非。

遊覧船
 この辺り一体は「海上アルプス」と表されるように風光明媚なことから国定公園に指定されていて、観光の為の遊覧船が運航しています。偶然通りかかったので撮影することができました。