仙崎は山口県の北部長門市の一地域で、詩人金子みすゞの故郷として、また西日本日本海でも屈指の漁港として有名な場所です。アクセス方法は道路の他、山陰本線(下関発)と美祢線(厚狭駅発)を用いて列車でいく方法があります。
今回は新下関駅から仙崎駅まで1日1往復運行されている観光列車「みすゞ潮彩号」に乗って行ってきました。平日は各駅停車、休日は快速列車として運転されています(なお、夕方には運転区間を短縮して下関〜滝部でも1往復運転されています)。
※金子みすゞについて
今でこそ「金子みすゞ」という名は有名なものですが、彼女の名が人に知られるようになったのは、意外なことに戦後も戦後、1980年代になってのことです。そもそもみすヾの活動した期間というのは驚くほど短く、文壇デビューからわずか2年少々しかありません。
文壇デビュー直後はその才能を絶賛する声が相次いだのですが、彼女の夫が創作活動を禁じてしまい、彼女の作品が人目に入ることがなくなってしまいました。更に、離婚調停において親権を主張する夫と折り合いが付かず、26歳で服毒自殺したという「あまりの短命さ」により、その存在は長らく忘れ去られることになります。
それから半世紀も経った1982年、児童文学者の矢崎節夫の尽力により詩集が出版され、「金子みすゞ」の名は一躍日本中に広まります。この詩集はみすヾの弟が保管していた遺稿のもので、童謡集の中に一編だけ掲載されていたみすヾの詩に感銘を受けた矢崎がその所在を発見し、世に知られることになったのです。
彼女の詩はこうして再び脚光を浴び、今では国語の教科書にも掲載されるほどにまでなっています。
(撮影&解説:八十八舞太郎)