福島県猪苗代町〜旧有栖川宮家別荘「天鏡閣」〜
   Tenkyokaku in Inawashiro Town ,Fukushima Prefecture

▼MAP

▼アクセス
JR磐越西線猪苗代駅よりバス

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福島県観光物産交流協会「天鏡閣」
 猪苗代湖畔に残る名建築、「天鏡閣」。国重要文化財に指定されたこの建物は1908(明治41)年の建築。その前年、有栖川宮威人親王(ありすがわのみたけひとしんのう)が、東北巡業中に猪苗代湖畔を気に入り、別荘建設を決定したことによります。8月に完成した後、9月には嘉仁親王(よしひとしんのう)、後の大正天皇の行幸があり、李白の句である「明湖落天鏡」より、天鏡閣と名づけられました。
 ルネッサンス様式の意匠を凝らした内装は、日本にある洋風住宅の中でも、ひときわ優雅で美しいもの。この建築を見に行くために猪苗代湖を訪れても損はしない、素晴らしい名建築です。
 なお、1924(大正13)年に高松宮宣仁親王(たかまつのみやのぶひとしんのう)が有栖川宮家の祭祀を継承したことに伴い、この天鏡閣も高松宮家に引き継がれます。そして1952(昭和27)年に福島県に下賜され、会議室などに使用された後、老朽化によって1971(昭和46)年に使用中止。1979(昭和54)年に国の重要文化財に指定され、修復を受けて現在にその美しい姿を伝えています。
(撮影&解説:裏辺金好)

食堂


客間


客間のシャンデリア

 天鏡閣の中でも、特に客間のシャンデリアは細部のこだわった逸品。

撞球室


天井飾り


外観


外観


迎賓館長屋門
 天鏡閣から猪苗代湖に向けて歩いていくと、和風の建築があります。これは高松宮宣仁親王が、有栖川宮威人親王の王妃である慰子(やすこ)殿下のために、1922(大正11)年に建てさせたものです。

迎賓館 【国重要文化財】
 ヒノキなどの高級木材を使用した、木造平屋の純日本風の建物です。設計は宮内省内匠寮で、その担当は宮内技師である木子幸三郎。 居間棟、玄関棟、台所棟が廊下を介して接続した皇族用住宅の標準的な構成。

猪苗代湖の風景