富山県黒部市・立山町〜黒部峡谷と黒部ダム〜
  Kurobe Gorge and Kurobe Dam in Kurobe City and Tateyama Town , Toyama Prefecture

 毎年多くの観光客が訪れる黒部峡谷。黒部川の中流〜上流にある峡谷(V字谷)で、国の特別天然記念物(天然保護区域)及び特別名勝に指定されています。

 公共交通機関による一般的な観光ルートとしては、富山駅より富山地方鉄道立山駅へ行き、室堂、黒部ダムをバスやケーブルカーなどを乗り継いで見てまわり、JR大糸線の信濃大町駅(長野県)へ抜けていく、「立山黒部アルペンルート」と、富山駅より富山地方鉄道宇奈月温泉駅へ行き、黒部峡谷鉄道のトロッコ列車に乗って黒部川を見ながら欅平(けやきだいら)駅に行く2つのルートがあります。

 また、この2つのルートは上級者向けの登山道を除けば、直結していませんが、黒部ダムから黒部第四発電所を経由し、欅平駅まで通り抜けられる、関西電力の保守用ルートが存在しています。こちらは、関西電力へ事前申し込みを行うことによって、特定日に見学することが可能です。

 このページでは以上の3ルートについて、解説していきましょう。(解説:裏辺金好&ネオン)


○場所

○立山黒部アルペンルート(1)立山黒部貫光立山ケーブル 立山駅 → 美女平駅

富山県側からの起点駅である立山駅。(撮影:裏辺金好)



急勾配を昇るケーブルカーです。谷側に大きな荷物用貨車がついているのが特徴。
(1枚目撮影:裏辺金好/2枚目撮影:ネオン)


眼下に立山駅があります。(撮影:裏辺金好)


対向列車と途中で行き違い。(撮影:裏辺金好)

○立山黒部アルペンルート(2)立山黒部貫光高原バス 美女平駅 → 室堂駅

美女平からはバスに乗り換えます。
ここは限られた許可車しか通れないため、多客期でも渋滞なく快適な旅が可能です。

 ちなみに、読者の方にお得な情報。美女平からは選べるのであれば左側の座席の窓側がおすすめです(運転手の後ろじゃない方です)。なぜなら、右側のポイントは雪の大谷のみ(しかも夏は雪がほとんどない)、左側は立山杉、称名滝、弥陀ヶ原、ソーメン滝と見どころが多いからです。
 上写真は称名滝(しょうみょうだき)。350mという日本一の落差を誇る四段構成の滝で、国指定の名勝および天然記念物に指定されています。なお、室堂へ直行するバスの場合、降車は出来ませんが、減速してくれます。また、滝を間近で見たい場合は、立山駅からバスに乗って向かうことが可能です。



(※2008年8月7日/撮影:ネオン)




弥陀ヶ原
(※2013年10月14日/撮影:裏辺金好)


奥に見える建物が室堂駅&立山ホテル。(※2013年10月14日/撮影:裏辺金好)

雪の大谷
 ところで、春の定番がこちらの風景。通称「雪の大谷」は室堂駅から徒歩5分の位置にあり、通常、4月中旬から6月上旬まで道路片側が歩行者用通路として開放されています。ちなみに平成24年4月20日〜5月1日の場合、雪の壁の高さは17mだったそうです。(※2013年5月9日/撮影:リン)

○立山黒部アルペンルート(3)室堂駅周辺の散策

室堂駅
バスが到着した際の入口とは反対側から出て、室道平(標高2450m)の散策をスタート。
(※2013年10月14日/撮影:裏辺金好)



室堂平
立山の文字が彫られた石碑は人気の撮影スポット。
(1枚目:2008年8月7日/撮影:ネオン)
(2枚目:2013年10月14日/撮影:裏辺金好)


立山玉殿の湧水 (※2008年8月7日/撮影:ネオン)



みくりが池
周囲600m、水深15mの非常に美しい池。雄山との組み合わせは絶景です。
(※2013年10月14日/撮影:裏辺金好)


地獄谷
以前は散策可能でしたが、火山ガス濃度が高くなっているため、通行止めに。
(※2013年10月14日/撮影:裏辺金好)

○立山黒部アルペンルート(4)立山黒部貫光立山トロリーバス 室堂駅 → 大観峰駅

 ここからは、トロリーバスという変わった乗り物に乗車。見た目はバスなのですが架線から電気を取得しているため、法律上は電車扱いなのです。これがあるために、室堂駅は「日本一標高の高い鉄道駅」ということになっています(JRで最も標高が高いのは小海線の野辺山駅)。かつては都内を含めて全国のあちこちにあったようですが、今はアルペンルート内に2本あるだけ。貴重な立山の自然を排気ガスで極力汚染しないよう、このようなシステムを採用しているわけです。
(撮影:裏辺金好)


標高3000メートルの立山のほぼ直下で列車交換。全線トンネルですので景色は楽しめません。
(撮影:ネオン)