今井町の古い町並み〜奈良県橿原市〜


 奈良県橿原市の今井町に残る古い町並みは、中世の環濠集落を発祥とする、称念寺を中心とした寺内町で、江戸時代も自治が行われてきた日本でも極めて珍しい歴史を持つ町です。
 戦国時代に高い軍事力を誇った今井町は、環濠で囲まれており、あたかも城塞都市の雰囲気。織田信長に対しては、本願寺とともに抗戦の構えも見せましたが、降伏。今井町ゆかりの茶人、今井宗久らのとりなしもあって町はそのまま残され、現在もその広大な領域に戦国時代、江戸時代からの町並みと道路がそのまま残っています(基本的には16世紀と変わっていないとか)。1993(平成5)年に重要伝統的建造物群保存地区に指定されました。
 なんと約500棟が昔からの建築であり、国指定重要文化財8棟、県指定文化財2棟、市指定文化財4棟があります。
 現在も一般の方々が生活する、生きた町であるのも魅力の1つです。
 (撮影:裏辺金好)

○場所



○風景


旧高市郡教育博物館 [県指定文化財]
現在は今井まちなみ交流センター「華甍」として使用。今井町の環濠の外に建築されています。まずはここから訪問しましょう。

今井町の町並み(模型)
 今井まちなみ交流センター「華甍」内に展示されている模型。現在もこんな感じで町並みが残っているというのだから驚き。

高木家住宅 【国指定重要文化財】
 1818〜30(文政年間)築。

河合家住宅 【国指定重要文化財】
 江戸時代後期築。






音村家住宅 【国指定重要文化財】
 江戸中期築。

上田家住宅 【国指定重要文化財】
 1744(延享元)年築。

町並み

中橋家住宅 【国指定重要文化財】
 江戸後期築。

称念寺 【国指定重要文化財】
 今井町の中心的存在である称名寺。

称念寺


称念寺太鼓楼 [市指定文化財]


町並み


環濠
 今井町の特徴である環濠。町並みが広範囲に残る一方、環濠はあまり残っていません。

今西家住宅 【国指定重要文化財】
1650(慶安3)年築。今井町の西出口にある城郭風の壮大な建築で、入母屋造の破風を前後喰違いに見せています。なお、今西家は惣年寄の筆頭で、領主、代官の町方支配の一翼を担っていました。


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