出水麓の古い武家屋敷群〜鹿児島県出水市〜


 出水麓は、薩摩藩が肥後国(現在の熊本県)との国境を守る場所として、外城制度(薩摩藩の地方統治制度)に基づいて数多くの薩摩藩士を郷士として住み着かせたミニ城下町「麓」(ふもと)の1つで、出水城の麓の丘陵地帯を整地して形成したものです。1599年に初代地頭として本田正親が配された後、約30年かけて3代地頭の山田昌巖の時代まで整備が続けられました。

 藩内の各地に「麓」を造って地方支配の拠点とした薩摩藩ですが、出水麓はその中でも最大規模でした。現在、国の重要伝統的建造物保存地区「出水麓伝統的建造物群保存地区」として44ヘクタールが指定され、3軒が公開されています。 (撮影・解説:裏辺金好)

○全体的な風景など


模型  鎖国体制の日本の中でも、特に他藩とは隔絶された環境を形成していた薩摩藩にとって(琉球との貿易は別として)、肥後国との国境線に近い出水は特に重要なエリアでした。整然と区画された住宅の配置が凄いですね。

地図
公開されている場所以外にも、数多くの武家屋敷時代の面影を残す門などが残っています。

○竹添邸【出水市指定有形文化財】


全景
白壁や土壁ではない、というのもあって、他の地域の武家屋敷とは外観の雰囲気が随分と違います。




座敷
 お客さんが複数いる場合、待っているお客さんは手前の座敷にいて、一方、家主との用事をお客さんは、縁側を通って玄関へ。お客さん同士が不必要に顔をあわせないよう、配慮した造りになっています。


○税所邸【出水市指定有形文化財】


全景
 平成23年4月1日から一般公開されたもの。まだ公開から2年弱ですので、以前にここを訪問された人でも、見たことが無い人が多いかもしれません。

上座敷


上座敷周辺




弓的場
 家の中に設けられた弓的場。雨天時に腕がなまらないよう、矢を射る形などを練習する場所だそうです。さすがは薩摩藩の武士、いかなる時でも鍛錬は欠かしませんね。

○武宮邸




主屋は昔のものではないようで公開されていませんが、庭が見所です。

○その他


出水御仮屋門 【鹿児島県指定有形文化財】
 御仮屋は藩主が地方を見て回ったり、参勤交代の途中で宿泊する際に使用した屋敷です。 ちなみにこの門は、江戸時代初期に薩摩藩主の島津義弘が、国境近いこの出水で自ら隠居しようとして、帖佐(ちょうさ、鹿児島県姶良市にあった地名)にあった門を移築したものと伝えられています。ちなみに、結局は島津義弘がここで隠居することはありませんでした。

宮路邸
 一般公開されていませんが、宮路家はNHK大河ドラマ「篤姫」のロケ地として他の武家屋敷と共に使われ、趣のある住宅と門が残っています。

風景

このような門が様々な場所に残っています。

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