越前大仏(大師山清大寺)〜福井県勝山市〜


 福井県勝山市内にある巨大建造物「大師山清大寺」と、越前大仏。上写真を見ていただけると、お気づきの方もいるかもしれませんが、奈良の東大寺をモデルに一回り大きく建設されたもの。地元出身の実業家、相互タクシーの創業者多田清さんが、1987(昭和62)年に5月28日にオープンさせたもので、当初は観光目的のテーマパーク的な存在。正式な寺院ではありませんでした。2002(平成14)年12月20日に臨済宗妙心寺派の寺院に所属することになったので、現在は正式な寺院です。

 これだけの巨大な寺院、どうやって維持しているのかと思いきや、ウィキペディアによりますと
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 拝観料は当初、大人は3000円であり、その後2500円、1000円を経て、現在(2008年11月現在)は500円にまで下がっている。
 参詣者数は当初から伸び悩み、「門前町」と称する土産物店街は現在一軒のみ。1996年から納税が困難になり、2002年と2004年より土地、建物を勝山市が管理する。大仏と大仏殿は清大寺が管理し、敷地内の土地や五重塔などの建物は公売に出されたが、2009年7月で最低価格を下げての4度目の入札を行ったが、いまだ買い手は見つかっていない。

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 という、実にバブルの産物。勝山市、こんなものを押し付けられて、これからどうするのでしょうか。寺による納税の滞納だけならまだしも、おそらく勝山市が五重塔などの維持管理費を負担しているのですよね??
(撮影・解説:裏辺金好)


○場所


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○風景


全景


門前町
寺だけでなく、門前町まで作ったものの、今や完全にゴーストタウン。朽ち果てていないのが奇跡です。


南大門
東大寺南大門をコピーしたもので、同程度の大きさ。


南大門


(参考)東大寺南大門

中門
こちらは東大寺のコピーとは公式には紹介されていませんが・・・。


(参考)東大寺中門
まあ、同じようなデザインですね。

大仏殿
高さ52.12m、間口58.12m、奥行48.12mという巨大建造物。


(参考)東大寺大仏殿
どう見ても東大寺大仏殿に対抗して、これより大きく造ったとしか思えません。


越前大仏
大きさは17mで、中国の洛陽市にある龍門奉先寺座像をモデルにしているそうです。これもパクリか。


越前大仏


大仏殿内部
大仏の大きさもさることながら、最も興味深いのは、大仏殿の四方八方を、小さな仏像で埋め尽くしていることです。


大仏殿内部
そのうちの一体。どんなに安かったとしても、果たして数千万円規模で済むのか?

九龍壁
中国(北京)の北海公園にある中国国宝の九龍壁を中国政府の許可でコピーしたそうな。
なぜ唐突にこれを設置したのか、意図がよく解りません。


五重塔
高さ日本一(自称)の75m、基壇面積220uという、たしかに群を抜いた大きさのもの。


勝山城博物館  さらに、清大寺を創建した多田清さんの野望はこれだけに止まらず、清大寺の近くに築城してしまいました。実質的に姫路城大天守をコピーした上で、日本一の高さ(57.8m)の模擬天守を持つ勝山城博物館です。1992(平成4)年に出来ました。

 ・・・これも維持できるんですかね。
 多田清さんが、故郷に名物となる建物を造って観光振興に貢献したい、という心意気は伝わってくるので、全く馬鹿にはできないのですが、尻拭いが行政というのは勘弁してもらいたいです。ちなみに多田さんは1991年に亡くなったそうで、勝山城博物館の完成を見ることは出来なかったようです。

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