大丸心斎橋店本館〜大阪府大阪市中央区〜


○解説

 大丸心斎橋店本館は、1933(昭和8)年にウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計により完成したもの。ネオ・ゴシック様式を基調とした外観に、1階を中心に幾何学模様や直線を強調したアール・デコの装飾で彩られた内装が特徴で、数々の名建築を残したヴォーリズの作品の中でも、特に見ごたえがあるものです。
 長年、心斎橋の顔として君臨してきましたが、耐震性確保の課題や大阪駅周辺を中心に続々と誕生する競合施設への対抗が課題となる中で、ついに改築されることに。2015(平成27)年12月30日を以て営業を終了し、年明けから解体。2019(平成21)年秋をめどに新本館が開業することになりました。なお、上写真の御堂筋側の外観を保存した上で高層部をセットバックの上で新築。今後の調査により、活用できる内装については1階部に取り入れていくとのことです。
 内部については写真撮影が禁止でしたので、公式サイトよりご覧ください。
http://www.daimaru.co.jp/shinsaibashi/vories/
(写真&解説:裏辺金好)

○場所



○風景






御堂橋筋側の入口


御堂橋筋側の入口を入ったところ(風除室)の天井。


心斎橋側の入口には、大丸のシンボルである孔雀の装飾が掲げられています。

2003年2月撮影。かつて、大丸心斎橋店の隣には1935(昭和10)年に村野藤吾の設計で建てられた「そごう大阪店」があり、百貨店としての「そごう」にとって創業の地でありましたが、2000(平成12)年12月25日に一旦閉店。

2005(平成17)年9月7日には、「そごう心斎橋本店」として改築オープンしますが、2009(平成21)年8月31日に僅か4年弱で閉店。同年11月14日に、大丸心斎橋店・北館として改装オープンしています。

大丸心斎橋店・北館の外観も非常に特徴的。内外装のデザインは、アメリカのキャリソン・アーキテクチャー社をトータルディレクターに、全体の設計施工監理を樺|中工務店が担当しながら、様々なデザイナーにより構成されたものです。

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