根来寺〜和歌山県岩出市〜



○解説

 根来寺は岩出市根来にある新義真言宗の総本山。1126(大治元)年、高野山金剛峯寺の高僧だった覚鑁(かくばん)上人が鎮守の祠(ほこら)と僧房を建てたのがはじまりと云われています。

 室町時代末期には、領地72万石、子院数2700を数え、さらに鉄砲で武装した僧兵団「根来衆」を擁する一大武装勢力ともなりますが、1585(天正13)年に豊臣秀吉による紀州攻めによって寺院の大半が灰燼に帰します。

 しかし、大塔(多宝大塔)や大師堂は焼失を免れ、今も現存するほか、江戸時代に紀州徳川家の庇護を受けて復興した伽藍の多くも現存しており、非常に見ごたえのある建築群となっています。
 (撮影・解説:裏辺金好)

○場所



○風景


大門 【和歌山県指定文化財】
1852(嘉永5)年に建てられたもので、初重・二重とも桁行五間、梁間ニ間という大規模な二階二重門です。


大塔 【国宝】
1496(明応5)年に立柱式が行われ、1547(天文16)年に完成したもの。内陣に柱を円形に配する大塔形式で建てられています。


大師堂 【国指定重要文化財】
1391(明徳2)年築と推定。


大伝法堂 【和歌山県指定文化財】
1827(文政10)年築。入母屋造、本瓦葺で桁行三間、梁間(はりま)二間、四面裳階(もこし)付き。


光明真言殿 【和歌山県指定文化財】
1804(文化元)年築。覚鑁(かくばん)上人を祀る廟です。



名勝庭園・名草御殿
庭園は国の名勝。本坊の表書院及び奥書院は、天保時代に建てられた紀州徳川家の名草御殿、湊御殿を和歌山市から移築したものです。


聖天堂(左)・行者堂(右)


不動堂(八角円堂) 【和歌山県指定文化財】
江戸時代後期の建築。

↑ PAGE TOP