虎塚古墳・十五郎穴横穴墓群〜茨城県ひたちなか市〜



○解説

 ひたちなか市にある国指定史跡の虎塚古墳(とらづかこふん)は、古墳時代末期の7世紀前半に造られた全長56.5mの前方後円墳です。(前方部幅38.5m、後円部径32.5m、高さ5.5m)

 最大の特徴は、1973(昭和48)年に保存状態が良好な彩色壁画が見つかったことで、後円部の横穴式石室から凝灰岩(ぎょうかいがん)の上に白色粘土を下塗りし、赤色顔料のベンガラ(酸化鉄)で連続三角文・環状文・円文などの幾何学文や、靭や槍、太刀などの武器が描かれています。また、成人男性1人の遺骸と小太刀・刀子(とうす)などの副葬品が発見されています。

 保存状態を維持するため、気温等の関係から春(4月上旬ごろ)と秋(11月上旬ごろ)に一般公開されています。なお、外観の見学はいつでも自由であるほか、彩色された石室のレプリカは隣接する埋蔵文化財調査センターで見ることが可能です。

 このほか、ほぼ隣接して県指定史跡の十五郎穴横穴墓群があります。こちらは、主に奈良時代の集団墓で、岩を掘り込んで造られた横穴墓です。中央から派遣された役人や家族の墓と考えられ、東中根台地の約1.5kmにわたって続いています。総数では300基を超え、東日本最大級の横穴墓群です。
 (撮影・解説:裏辺金好)

○場所



○埋蔵文化財調査センター



虎塚古墳石室の複製レプリカが常時見られます。



馬形埴輪 【ひたちなか市指定文化財】
鉾の宮古墳群 第2号墳からの出土。その他、近隣等からの出土品の数々を展示


乳飲み子を抱く埴輪 【茨城県指定文化財】
金上大平古墳からの出土。非常に珍しいタイプの埴輪。


○十五郎穴横穴墓群





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