箱木千年家(箱木家住宅)〜兵庫県神戸市北区〜



○解説

 箱木家住宅(はこぎけじゅうたく)は、『摂津名所図会』によると806(大同元)年に建てられたとされる住宅。その古さから既に元禄年間(17世紀末)から「箱木千年家」と呼ばれており、呑吐(どんど)ダムの建設に伴い、約60m南東へ解体移築された際の調査で、主屋が室町時代前半に建築され、江戸時代に入って西側に二間の離れを建築し。江戸時代末期に両棟の間に二室を増築して1棟にしたことが確認されました。

 移築の際にあたっては中間部分を撤去し、再び二棟に分離しています。

 2005(平成17)年には、建築当初の部材へ放射性炭素年代測定法による調査を行った結果、1283〜1307年に伐採された部材であることが判明。鎌倉時代に建築された可能性もありそうです。日本でも特に古い民家で、室町時代に建築されたのは古井家住宅(姫路市安富町)、堀家住宅(奈良県西吉野村)など極めて少数です。

 ちなみに箱木家は戦国時代には豪族の別所氏に仕えた地侍で、江戸時代は地元の庄屋を務めた家柄です。
(撮影:リン)

○場所



○主屋













○離れ







○主屋・離れ分離前の姿


 

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