一乗寺〜兵庫県加西市〜


 一乗寺は山号を法華山とし、本尊を聖観音菩薩とする天台宗の寺院で、西国三十三所第26番札所。伝承によると650(白雉元)年に法道仙人が開基したと云われ、何度かの火災に遭いながらも、1171(承安元)年に建築された三重塔(国宝)や、1628(寛永5)年に姫路藩主本多忠政の援助で再建された本堂(国指定重要文化財)をはじめ、数々の古建築が残る非常に見ごたえのある場所です。
 なお、本堂と銅造聖観世音菩薩が、日本遺産「1300年つづく日本の終活の旅〜西国三十三所観音巡礼〜」の構成文化財となっています。
 (撮影:リン)

○場所



○風景


石造笠塔婆 【兵庫県指定有形文化財】
1316(正和5)年築。銘文の奉献先に「金輪聖主」(=天皇)とあります。笠は下端に薄く平板上の垂木型をくり出し、頂部に蓮弁を刻んだ請花(うけばな)・宝珠をいただく形状です。


入口


五輪塔 【国指定重要文化財】
1321(元享元)年建立。


常行堂
1868(明治元)年再建。元々は聖武天皇がの勅願による建立と云われます。


三重塔 【国宝】
1171(承安元)年築。兵庫県下に現存する最古の塔婆で、相輪伏鉢(そうりんふくはち)に承安元年(1171)の刻銘があることから建築年代が明らかになっています。各重とも方三間で、各重の落ちは上重ほど大に、軒高の差と軒出は上重ほど小になっています。



本堂 【国指定重要文化財】
1628(寛永5)年築。大悲閣または金堂とも称し、姫路藩主本多忠政の援助で再建されたもの。懸造の九間堂で、正面約23 m、奥行き約20m、高さ約17.5mもの大規模な建物。平面以下総体的には中世以来の伝統的手法を踏襲しつつも、外陣内部の柱を減少させるなど礼拝空間の拡大を求めた近世的手法を採用しています。


鐘楼 【兵庫庫県指定重要文化財】
江戸時代初期の再建で、本堂に続いて建てられたもの。


護法堂 【国指定重要文化財】
鎌倉時代後期(1275〜1332年)築で、一間社隅木入春日造、檜皮葺。


弁天堂 【国指定重要文化財】
室町中期(1393〜1466年)築で、一間社隅木入春日造、檜皮葺。


妙見堂 【国指定重要文化財】
室町後期(1467〜1572年)築で、三間社流造、檜皮葺。



開山堂 【兵庫県登録有形文化財】



↑ PAGE TOP